スガイディノス(本社・札幌市中央区)は、「スガイディノス札幌中央店」(中央区南3西1)の閉店に伴って、閉館していた映画館「ディノスシネマズ札幌劇場」を閉館から1年目にあたる2020年6月に復活させる。場所は狸小路商店街5丁目にある「札幌プラザ2・5」(同区南2西5)、名称も「ディノスシネマズ札幌劇場」を踏襲する。(写真は、スガイディノスが映画館を復活させる「札幌プラザ2・5」)
「札幌プラザ2・5」は、1925年に洋画封切館「三友館」として狸小路5丁目に誕生。38年に「日活館」、75年に「東宝プラザ」に名称を変更、81年に改築、03年には改装され札幌の老舗映画館としてメジャー作品を上映してきた。11年9月に映画興行の一線から退き、現在は貸しホール劇場「札幌プラザ2・5」として映画上映やイベントを開催している。
スガイディノスは今年6月2日の「スガイディノス札幌中央」の閉店に伴い、映画館も閉館したことから狸小路商店街やすすきので復活先を探していたが、このほど「札幌プラザ2・5」と賃貸契約を結ぶことで合意した。
スガイディノスの小笠原一郎会長(北海道SOキャピタル代表取締役)は、「復活を望むファンや関係者の熱量を強く感じていた。(RIZAPグループを離れ)地場独立系企業に戻ったスガイディノスとしては大きな投資となるので慎重に検討したが、一定のめどが付いたので閉館から1年目の来年6月に映画館を復活させることにした」と話す。復活にあたっては、応援企業の協賛を募るほか、クラウドファンディングなども利用して広く資金を集める考え。
2018年は全国で約1190本の映画が公開されたが、「ディノスシネマズ札幌劇場」では218本が上映された。大手のシネマコンプレックスと違い、スガイディノスでは50席埋まれば単館系(大手配給以外の映画)も上映可能だった。閉館によって、札幌の多くの映画ファンはこれらの作品を見逃している状況になっている。「復活できれば再びこうした作品200本以上を上映することができるようになる」(三浦尚久社長)としている。