民事再生計画案が通るか、通らないかが決まる債権者集会まで残すところ20日あまりとなった御前水ゴルフ倶楽部。最終段階になって同倶楽部を運営する美々リゾート開発(蔦森清克代表取締役)の代理人は、10年間の再生計画履行を蔦森氏が個人で連帯して保証する債務引受契約を交わし、会員に契約書をコピーした文書を送付した。再生計画をより確実に実行するため、蔦森氏が個人で計画実現を保証するもの。仮に計画を下回った場合、蔦森氏は個人資産で計画未達分を穴埋めする。(写真は、蔦森清克代表取締役が再建計画履行を個人で保証する連帯債務の契約書コピー)
御前水ゴルフ倶楽部の民事再生を巡って、会社側代理人と会員有志らが作る「御前水ゴルフ倶楽部会員の権利を守る会」の対立は、本サイトが詳報してきたのでここでは詳しく書かないが、ポイントは弁済率と現経営陣が引き続き経営の任に当たるかどうかという点。要は、民事再生申請に至った経営責任の明確化と再建の透明性を高める再建手法を民事再生とするか(=会社側)、会社更生法にするか(=守る会側)――の対立だ。
2月21日付で会社側代理人の高﨑良一、濱﨑亮の両弁護士が会員ら635人に送付した『債務引受の件』と題した文書には、再生計画の確実性を図るために美々リゾート代表取締役の蔦森氏が個人で履行を保証する“併存的債務引受契約”のコピーを付け、合わせて蔦森氏の謝罪文も含まれている。
代理人が示した弁済率12%(退会会員は10%)の民事再生計画が達成できなかった場合は、蔦森氏の個人資産で保証するもので、これまでの経営責任を明確にし、今後の経営についても保証するという中身。
民事再生計画案が認可されるためには、届出債権者数635人の過半数、届出債権額19億4794万円の2分の1以上の同意が必要。
札幌地裁苫小牧支部では、会社側が示した民事再生計画案の可否について書面による投票(3月9日まで)か、債権者集会当日(3月12日)による投票を知らせる文書を債権者である会員各位に郵送している。期日まで20日を切った段階で、会社側代理人がさらに蔦森氏の再生計画への個人保証を付加させた文書を送付したことで、債権者である会員がどう判断するか注目される。