森トラスト(本社・東京都港区)は、2016年7月に取得した旧農林中金札幌支店の解体工事に着手する。現在は、解体用の仮囲いが設置され始めた段階で、今後足場を組んで本格的な解体作業に入る見通し。解体後には高級外資系ホテルの建設が浮上している。(写真は、仮囲いの設置が始まった旧農林中金札幌ビル)
旧農林中金札幌支店は、1950年代から大通西5丁目に本拠を構えていたが、16年5月に北洋銀行本店や本部が入っている大通西2丁目の北洋大通センター2フロアを区分所有して移転した。移転後の土地建物は同年7月に森トラストが取得したが、当時の新聞報道によると取得額は約90億円とされ、坪単価は約100万円。ただ建物解体費も含んでいるため、純粋な土地代としては80万円強とみられていた。
森トラストがこの建物の解体後に計画しているのは、同社が首都圏やリゾートで展開している「マリオットホテル」と噂されている。同社は、16年に世界最高級ホテル、リッツ・カールトンを運営するマリオット・インターナショナルと提携。「東京マリオットホテル」のほか軽井沢などリゾートにある5つの「ラフォーレ」を「マリオット」に順次リブランディングしてきた。また、20年春開業を目指して奈良市にマリオット・インターナショナルにとって日本初進出となる最高級ブランド「JWマリオット・ホテル奈良」の建設を進めている。
道内では森トラストの会長、森章氏が個人で全額出資しているリゾート開発事業と投資事業の「MAプラットフォーム」(東京都港区、資本金90億円)が、苫小牧市植苗地区で2500億円を投じてホテルやコンドミニアムを建設する計画も進めている。