十勝の菓子製造販売、柳月(本社・河東郡音更町)の「あんバタサン」の完売状態が続いている。道内各店舗や空港、駅の売店でも同様の状況で自社オンラインショップでも人気ランキング1位。「あんバタサン」ブームはいつまで続くのか。
(写真は、完売状態が続く「あんバタサン」の売り場)

 人気が爆発したのは、NHK連続テレビ小説「なつぞら」の8月8日と9日の放送で紹介された「おバタ餡サンド」に似ているということから。主人公の広瀬すず演じるなつの幼馴染、雪次郎(山田裕貴)が考案したのが「おバタ餡サンド」。雪次郎の実家の菓子屋は「雪月」で、「あんバタサン」を作っているのは十勝を代表する菓子屋「柳月」。「あんバタサン」と「柳月」は「雪月」のヒントになっているのだろうか。

 ちなみに菓子屋に「月」が付くのは多く、カーリングで火が付いた「赤いサイロ」の「清月」(北見市)、道央圏のスーパー「フードD」を展開する「豊月」(芦別市)も元々は菓子屋だった。

 ともあれ、「あんバタサン」はあの日以来、完売状態が続いている。「あんバタサン」自体は2018年夏から販売され比較的新しい商品。北海道素材にこだわったサクッとしっとりのあんバタークリーム入りのサブレサンドで、サブレにはオホーツクの塩を入れてほんのりした塩気を出している。バタークリームには風味の強い発酵バターを採用している。

 柳月のオンラインショップでは、注文してから発送到着まで3週間が必要という人気ぶり。「なつぞら」の効果と北海道の風土が相まって「あんバタサン」の物語性が好感されているのだろう。

 柳月は1947年創業で、65年に北海道開拓100年記念として販売を始めた「三方六」がロングセラー商品。「三方六」は、十勝産の専用小麦、卵、バター、砂糖を使用、2007年には道の「道産食品認定」を受けた。社員数は799人(18年10月現在)、売上高は約82億円(18年9月期)。


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