コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、10月1日の消費増税に合わせてスタートするキャッシュレス決済の5%還元を始める。経済産業省のキャッシュレス・消費者還元事業の加盟店登録を申請中で、9月末には登録完了する見通し。店舗、宅配の両方が還元対象となる。売上高2834億円の道内スーパー首位のコープさっぽろが国の政策に沿った還元対象となり、組合員はメリットを享受できるが、還元対象にならない他のスーパーとの競争環境が20年6月末までとはいえ国の政策によって左右されることになる。(コープさっぽろは10月1日からキャッシュレス決済の5%還元を開始する=写真は、コープさっぽろ「新道店」のレジ端末)
経産省のキャッシュレス・消費者還元事業の加盟店登録の対象になるのは小売業の場合、資本金5000万円以下か従業員50人以下。生活協同組合や農業協同組合など協同組合組織も対象となるが、規模の大きい組合は過去3年間の課税所得が年間平均15億円以上だと対象にならない。コープさっぽろは、規模が大きいものの課税所得平均がそれ以下のため対象となる。
コープさっぽろは既に6月24日付で同事業の電子マネー等のカード発行の決済事業者として登録完了しており、7月中旬には利用者がキャッシュレス決済で5%還元が受けられる加盟店登録を申請、9月末には登録完了、10月1日から還元を始める。
キャッシュレス決済で5%還元の対象になる決済手段は、コープさっぽろの電子マネー「ちょこっとカード」や各種クレジットカード、QRコードの「PayPay」。税込み価格の5%分が翌日午前10時に還元チャージされる。8%の軽減税率になる食品と10%になる日用品や酒類など、コープさっぽろの店舗で購入する全ての商品が5%還元の対象になる。
コープさっぽろが現在、1ヵ月のうち数日実施している「ちょこっとカード」使用の5%引きや「ちびっこコープデー」、「シニアコープデー」の5%引きのほか、「ポイント10倍デー」などのサービスはそのまま継続するため、「ちょこっとカード」5%引きの日はキャッシュレス5%還元と合わせれば10%近い割引になる。
コープさっぽろの店舗では現在、「ちょこっとカード」が34%、クレジットカードが11%の使用比率でキャッシュレス決済は45%程度。宅配は「クローバートドックカード」の比率が60%で残りは口座振替。10月1日に向けて、「ちょこっとカード」や「クローバートドックカード」への切り替えを呼び掛けており、「より多くの組合員に5%還元のメリットを受けられるようにしたい」(米内徹常務理事)と話している。
※2019年9月4日記事一部訂正しました。