札幌地裁本庁・7支部の「民事」「刑事」「破産」「再生」各事件は減少傾向、一方で弁護士数は増加傾向

社会・文化

 新司法試験の導入によって弁護士数が増えているが、札幌地裁管内での裁判件数の推移はどうなっているのか。過去5年間の統計を見ると、民事訴訟や破産事件、再生事件、刑事事件ともに2008年をピークに減少していることが分かる。弁護士数が増加する一方で主な活動先である裁判は減少しており、法廷外での仕事を広げていくことが課題になっている。(写真は、札幌地裁本庁)
 
 札幌弁護士会に登録している弁護士数は、10年度末で591人。前年度末よりも52人増えている。大学院修了者を対象にした新司法試験に合格した新60期(06年11月から1年間の司法修習)を終えて弁護士登録が始まった07年度以降は、毎年50人近くが同弁護士会への会員登録を行っている。
 
 弁護士数が増えている一方で、訴訟数はどう推移しているのか。
 札幌地裁管内の推移を見ると以下の通り。
 
【民事第一審通常訴訟】
06年 3651件
07年 4969件
08年 5246件
09年 5870件
10年 5392件
 
【破産事件(法人等)】
06年 176件
07年 225件
08年 281件
09年 221件
10年 208件
 
【再生事件(小規模個人再生・給与所得者等再生は含まない)】
06年 18件
07年 17件
08年 27件
09年 25件
10年 19件
 
【刑事通常第一審事件】
06年 2882件
07年 2650件
08年 2024件
09年 2203件
10年 1965件
 
 いずれも暦年。札幌地裁管内は札幌の本庁と岩見沢、滝川、室蘭、苫小牧、小樽、浦河、岩内の7支部を含む。
 
 10年以前の過去5年間の裁判件数は、概ね08年をピークに減少していることが分かる。弁護士数の増加傾向と訴訟数の減少傾向は、弁護士の主な活動先である法廷がより狭き門になっていることを現している。

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