昨年11月に資本・業務提携を発表した帯広本拠のダイイチといちまるだが、年明けにいちまるが発行する第三者割当増資を引き受けるダイイチの持ち株比率が11%程度にとどまりそうだ。当初から大証ジャスダック市場に上場しているダイイチの連結対象外の19%を上限にするとしていた。ダイイチの取得価額は5000万円程度と見られている。(写真はダイイチの店舗=左といちまる店舗)
ダイイチといちまるは、ともに帯広を本拠に十勝地域で食品スーパーを展開している。ダイイチは、旭川や札幌にも進出しており、2011年9月期決算は売上高275億5653万円、経常利益5億249万円で前期比2・4%の増収、15・2%の増益になった。
一方、いちまるは、2009年度売売上高が108億8700万円、経常利益4100万円、10年度同106億4100万円、同500万円で2・3%の減収、87・8%の減益になるなど苦戦している。
ダイイチといちまるとの資本・業務提携は、いちまる救済色が強く、第三者割当増資の引き受けとともに共同仕入れ、共同配送でいちまるの財務改善を促していくものと見られる。
提携の発表時には、ダイイチが引き受けるいちまる株の保有比率は連結対象にならない19%を上限とするとしていたため、業界の関心は上限の19%まで引き受けるかどうかという点だった。
結果的に11%程度にとどまりそうで、上限とした19%の半分強。仮に11%程度で本決まりとなれば資本提携に関してはやや腰が引けた印象は否めない。
道内の食品スーパー業界では、アークスとコープさっぽろが地方で展開するローカルスーパーのグループ化を進めてきた経緯があり、ダイイチといちまるのようなローカルスーパー同士の資本・業務提携は珍しい。しかし、ダイイチのいちまる保有株比率が低いレベルで落ち着くことになれば、ローカルスーパー同士の提携が一筋縄ではいかないことを示すことになりそうだ。