石屋製菓(本社・札幌市西区)グループの石屋商事(同・同)が2018年4月から進めてきた「白い恋人パーク」(札幌市西区宮の沢2条2丁目)のリニューアル工事が完了、12日に全面開業する。混雑解消と更なる魅力向上を図るため工場棟(チョコトピア)を中心に「観る、知る、味わう、体験する」チョコレートのエンターテインメント機能をより高めた。※動画はこちらの画像をクリックしてご覧ください。
(写真は、「チョコトピアハウス」のマッピングショー)
「白い恋人パーク」は、1995年に製造ラインが見学できる「イシヤチョコレートファクトリー」としてオープンしたのが最初。2000年にからくり時計塔やサッカー場、03年にチュダーハウス、10年には白い恋人鉄道、16年にはガリバータウンを新設するなど充実。国内観光客とともにインバウンドの入り込みが急増、15年度には入館者が70万人を突破し、札幌の欠かせない観光スポットとして定着した。
入館者の増加とともに混雑による長時間待ちが増え、キャパシティの拡大に迫られていた。17年に石屋製菓の「北広島工場」(北広島市)が稼働、本社工場の製造ラインの一部を移動したため、余剰スぺースを利用して観光、体験施設を大幅に増床するなどしてリニューアルした。総工費は非公表。
(写真は、製造ライン見学コースから見える製造工程)
(写真は、オリジナルの「白い恋人」を作ることができる体験コース)
新設した2階の「チョコトピアハウス」では、キャラクターとして石屋製菓の創業関係者をイメージしたジュリアン・ダンディーノ・イシミッティ博士とチョコレートの妖精の猫2匹がシルエットで登場、チョコの歴史などをプロジェクションマッピングで紹介する。また、カカオ豆がチョコレートになるまでの工程を学べる参加型プロジェクションマッピングの「スタディべース・カカオポッド」も新設した。
3階の製造ライン見学コースは、以前の「白い恋人」6ラインを4ライン(製造枚数日産30万枚)と新たにバウムクーヘン(白いバウム日産最大2500個/ナマラバターバウム日産最大1800個)製造ラインも見学できるようにした。
4階の体験エリアやカフェは、以前の約230坪から約480坪に増やし、チョコレート作りやオリジナルの「白い恋人」作りが楽しめる体験エリアの収容人数を1日最大700人から1400人まで対応できるようにした。また、窓際から手稲山やからくり時計塔、サッカー場などを一望できる「オックスフォード」は、高級感溢れる豪華な雰囲気のカフェラウンジにリニューアル(全117席)。白い恋人のオリジナル缶を作ることができるスポットや滑らかで口溶けの良いチョコにするテンパリングの実演を見ることができる「トライアルプレイス・コヴェント」、フォトスポットの「マジカルマルシェ」も新設している。
また、チュダーハウス1階のお土産ショップ「ピカデリー」も面積を約78坪から157坪に倍増、限定商品も4品目追加。チューダーハウス2階には、石屋製菓の創業期から現在に至るまでの歴史と未来を展望できる「イシヤミュージアム」も誕生した。入館料は、所有時間30分のファクトリーコース大人600円、1時間のプレミアムファクトリーコース1500円(1度に40人受け入れ可能)。チョコ作り体験などには別途料金が必要。
石屋商事では、リニューアル工事のため2・5ヵ月間休業していたため19年度の入館者数を72万人と見込んでいる。ただ1ヵ月あたりの入場数は17年度に比べて1万人以上増えると予想され、平年ベースでは実質90万人に届く見通し。なお、19年度の売上高は32億円と17年度の24億円より25%増加すると見込む。
(写真は、4階のラウンジ「オックスフォード」)