コープさっぽろ(本部・札幌市西区)と留萌管内に5店舗を展開する中央スーパー(本社・留萌市)は17日、業務提携に向けた基本合意書を締結した。中央スーパーの要請にコープさっぽろが答えたもので、9月末の正式合意に向けて調整作業を本格化する。(写真は、苫前郡羽幌町の中央スーパー「羽幌店」)
中央スーパーは1962年4月創業の老舗で、地域には不可欠な食品スーパーとして営業を続け、1995年には商品の共同仕入れ会社である北海道CGC(本社・札幌市豊平区)に加入、CGCのPB(プライベートブランド)商品やNB(ナショナルブランド)商品の供給を受けてきた。留萌管内を地盤としているため少子高齢化、人口減少の影響を受けて業績は低下、現在は5店舗で売上高は約22億円。
2006年には北海道CGCに加入しているアークスグループの道北アークス(同・旭川市、当時はふじ)と業務提携、経営情報の相互交換やデリカ商品の供給を受けていたほか、道北アークスの六車亮社長が中央スーパーの取締役に就くなどしていた。
しかし、提携から12年が経過しても提携効果が上がらず、中央スーパーの業績改善に結びつかなかったため両社は16日付で提携を解消、近く北海道CGCからも離脱する。
中央スーパーは、4月中旬からコープさっぽろと接触、コープ側が検討した結果、①コープさっぽろの留萌管内世帯数における加入率が87%と高く重点地域であること②中央スーパー5店舗が地域の食を支えていること③雇用環境を維持し地域経済を支える生協の使命があることーーなどから業務提携に向けた取り組みを両者で進めることにした。
コープさっぽろは連絡調整役として幹部1人を派遣し、具体的な提携内容を詰めるが、想定しているのはコープさっぽろが生産している惣菜、デリカ商品の供給やPB商品、NB商品の供給などで資本参加も視野に入れている。
コープさっぽろが地域のスーパー支援のモデルとしているのが、函館地区の魚長(本社・函館市)のケース。09年に提携し商品供給のほか子会社のシーズ協同不動産(札幌市西区)を通じて30%強の資本参加をしているが、経営とは距離を置き緩やかな連携にとどめている。今度の中央スーパーも魚長スタイルを踏襲するもよう。
コープさっぽろとアークスグループは、道内流通の2大勢力。アークスグループと提携関係を続けてきた中央スーパーの関係解消、コープさっぽろのグループ入りは、2大勢力の対立感を際立たせることになりそう。アークスグループの横山清社長(84)とコープさっぽろの大見英明理事長(60)は北大同窓ということもあって比較的フレンドリーな関係だったが、今回の事案は感情のうねりを引き起こしそう。