見慣れた風景の札樽自動車道が新しい顔を見せてくれる。きょう12月8日午後3時から供用開始になる後志自動車道。長く小樽止まりだった高速道は、余市まで伸び、ほぼ50年ぶりの延長となる。(写真は、後志自動車道で2番目に長い延長615・5mの朝里川橋)
開通するのは、札樽道の銭函ICと朝里ICの間にある小樽JCT(ジャンクション)から余市ICまでの23・3㎞。札幌中心部から余市までは、これまで札樽道小樽ICで下り、国道5号線かフルーツ街道を走るルートしかなかったが、新たなルートが登場することになる。これによって札幌中心部から余市まではこれまでの74分から55分に19分短縮される。
2011年に着工し総工費1182億円をかけて完成させた。暫定2車線でトンネルは8本、橋梁は12本あって、最も長いトンネルは天狗山トンネル(2978m)、最も長い橋は天神橋(681m)。
札幌方面からは小樽JCTで後志自動車に入れるが、小樽方面からは現時点では小樽JCTで余市方面に行くことはできない。ただ、余市方面からは、小樽JCTで札幌方面、小樽方面の両方向に行ける。
後志自動車道は、山側を走るため蘭島地域でも海面から21mの高さがあって、大規模地震で想定される高さ6・1mの津波の影響も受けない。有珠山や樽前山の噴火時には現在の道央自動車の代替道路としても期待できる。さらに後志観光にも一層の弾みがつくほか、後志管内の救急医療体制も強化される。普通車料金は、札幌西ICから余市ICまで1310円。
札樽道は、1972年の札幌冬季五輪開催に備えて前年の71年に開通した札樽バイパスが前身。73年に高速道路になったが、それから45年、ようやく新しい風景が加わる。忘れかけていた変化への期待感を抱かせる新ルートの開通になる。