コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、物流を担う関連会社、北海道ロジサービス(江別市東野幌)内の宅配トドック向けピッキング工程(倉庫から商品を取り出す作業)に北海道初、スーパーマーケットの物流部門でも初となるロボットシステム「オートストア」を導入した。これによって宅配の薬や健康食品、洗剤など日用品の取り扱いが8000品目増え、組合員の利便性が増す。総投資額は8億5000万円。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください
(写真は、「オートストア」の上部を走り目的のコンテナを取り出す赤いロボット)
(写真は、「オートストア」の出庫ポート)
「オートストア」は、ノルウェー製の自動倉庫システムでオカムラがコープさっぽろの仕様に合わせて納入した。ソフトは、コープさっぽろのシステムを担当している関連会社デュアルカナム社(札幌市西区)が構築。
宅配のピッキング工程はこれまで棚を陳列して人の手によって商品を取り出していた。高頻度に出る商品は従来の方法を利用するが、低頻度の在庫品について「オートストア」を使い、ピッキング工程の省力化、省人化を追求することにした。これにより当初600坪、55人が必要だったが、229坪、35人での対応が可能になった。
「オートストア」は、アルミ製で高さ約5m、長さは18m×42m。コンテナに入れる入庫ポートが5ヵ所、コンテナから取り出す出庫ポートが12ヵ所あり、コンテナ数は1万3594箱。上部には目的のコンテナを取り出すロボットが70台走行、1時間当たり1900箱の入出庫が可能。作業員がポートのディスプレーにバーコードをかざすだけで、目的の商品が入ったコンテナがポートに運ばれてくる。
「オートストア」には8000品目が保管できる。これは300坪タイプのドラッグストアと同じ品目数に該当する。これにより宅配の取扱品目は従来と合わせて約1万6000に増える。コープさっぽろは、毎週発行しているカタログに加え、数ヵ月に1度発行する日用品カタログを4種類追加して宅配利用を促す。
コープさっぽろの小松均・宅配事業本部長は、「買い物が困難な地域の方にも、日常的にドラッグストアと同じ品目数の商品を選んでもらえるようになる」と話していた。