北海道総合技術研究所(HIT技研)は、6月末に中里恒一郎社長が相談役に退き、萱場利通会長(66)が社長を兼務する人事を決めた。萱場氏は横浜市と進めている介護福祉関連システムの構築に全力を挙げるほか、関東地区での事業拡大を積極的に進めていく考えを明らかにした。横浜市との共同事業は全国に先駆けたシステム構築になるため、このノウハウを生かして社会福祉関連で需要を開拓する。(写真は萱場利通社長兼会長)
北海道総合技術研究所は、医薬品卸、旧秋山愛生舘の物流システムを手がけたほか、スズケンや大丸藤井、ホーマックなど卸、小売の分野でシステム構築を行ってきた実績がある。
2000年に介護保険が導入され、社会福祉分野でのシステム開発にも注力、昨年からは2年契約で横浜市から介護保険システム構築を受注した。介護認定などをスムーズに行い省力化、低コスト化に導くもので全国に先駆けたシステム構築を目指している。
今後、介護保険のほかにも社会福祉の領域で自治体のシステム構築のニーズは高まるとされ、同社は横浜市のシステム構築で蓄積したノウハウなどを利用して受注拡大を狙う。
社長を兼務することになった萱場氏は、医療福祉関連で独自の研究会を設置するなど人脈が豊富。研究会で得られた知見をもとに事業ニーズを汲み上げていく。
同社は約60人の開発要員を擁しているが、関東エリアでの事業拡大を積極的強化、約20人が関東に在籍。売り上げ比率は関東6に対して札幌4となっている。関東圏では社会福祉関連で事業機会の創出を進めていくほか、札幌など道内では農水産業の物流面でIT化を支援していくことにしている。