札幌証券取引所は28日、日糧製パン(本社・札幌市豊平区)とキャリアバンク(同・同市中央区)の個人投資家向け会社説明会を開催した。会場の札証2階会議室には個人投資家約80人が集まった。(写真は、業績見通しを説明する日糧製パン・吉田勝彦社長)
最初に日糧製パンの吉田勝彦社長(66)が事業概況について説明。同社は1999年から三菱商事が株主になっていたが、2009年に山崎製パンが28%出資する関係会社になった。北海道のパン市場は15年度で約532億円、日糧製パンのシェアは19%、和菓子市場は約718億円、同社のシェアは6・5%。
17年3月期の売上高は約176億円で食パン・菓子パンのパン部門が52%、和菓子・洋菓子の菓子部門が26%、米飯・調理パンなどのデリカ部門が19%、その他3%となっている。パン部門、菓子部門に比べて高い伸び率を維持しているのがデリカ部門。食品スーパーやドラッグストア、ディスカウントストア向けが好調なため、昨年8月から本社月寒工場(札幌市豊平区)内で15億円を投じてデリカ新工場の建設を進めている。
「最新鋭の炊飯設備や高効率の調理加工設備を導入、生産性を向上させて今夏から稼働させ食品スーパー向けに拡販する」(吉田社長)としている。また、道内の少子高齢化のスピードが本州よりも早いことを念頭に、「生き残りには道外販売を増やすことが不可欠。パンや菓子類のロングライフ(LL)化、冷凍商品の開発に力を入れたい」と話した。
(写真は、事業内容を説明するキャリアバンク佐藤良雄社長)
続いて、人材派遣、人材紹介のキャリアバンク佐藤良雄社長(64)が業績や事業展開について説明。佐藤社長は16年11月に外国人留学生向けの日本語学校「札幌ランゲージセンター」の事業を譲り受けたことに触れ、「外国人留学生が日本語を学ぶ場を当社が手掛けることで、卒業後に道内リゾート地などに働き先を紹介することが可能になる。倶知安町やニセコ町では廃校になった校舎がたくさんあるため、ニセコ地区で外国人を対象にした日本語学校を開設することも検討している」と語った。
また、女性の就職支援、中高年・シニアの就職支援、生活困窮者への就労支援、生活サポート事業などを説明した。18年5月期の連結売上高は60億8400万円、経常利益は1億200万円になる見通しを示した。