「ファーストコネクト」宮副俊彦代表取締役インタビュー②「東京で起業、札幌に本社を移した理由」

経済総合

 歯科医師、歯科衛生士の転職支援サイト「ファーストナビ」を運営しているファーストコネクト(本社・札幌市中央区)。宮副俊彦代表取締役(38)へのインタビュー2回目は、札幌に本社を置くことを決めた理由や歯科医院向けの新たなサービスについて聞いた。(3回シリーズでお伝えします)IMG_9519(写真は、ファーストコネクトの宮副俊彦代表取締役)

 ――SMSに入社した時、宮副さんは何歳でしたか。

 宮副 早稲田大文学部を卒業して新卒である会社に入りましたが、お話ししたように(SMSの)創業社長に憧れて25歳の時に転職しました。そこで10年間勤めて、最終的にはマネージャーのポストでした。SMSで一緒に仕事をしていた3人で創業したのがファーストコネクトです。

 ――大事にしたいものが3人に共通していた訳ですね。

 宮副 2人とも私の1つ下の年齢なので、同僚兼後輩兼友人のような感じです。SMSを辞める時、1人は私と同じマネージャークラス、もう1人は私よりも役職が上の部長クラスでした。その3人で当初は東京で起業したのですが、そのことはすぐにSMSに伝わって『一緒にやりたい』と来てくれた人たちが10人くらいいました。

 ――今期の売上高は約6億円だそうですが、利益面は如何ですか。

 宮副 利益を出すことを優先するか、成長スピードを優先するかで変わってきます。当社の収益は、紹介した人が入社したタイミングで売り上げにカウントされます。しかし費用投下は、広告を打ったタイミングで発生しますから収益にズレが生じます。広告宣伝費を削ると利益をコントロールできますが、そうすると来期に(紹介者が少なくなるなど)機会損失が出てくる可能性もあります。利益面ではある程度の自由度があるので、増収増益になるようにしたいと思います。もっとも、一旦今期を赤字にして、来期以降に成長を加速させる意思決定をする可能性もあります。

 ――描いている企業像はどういうものですか。株式の上場も視野に入っていますか。

 宮副 抽象的な言い方をすると、『良い組織であること』をすごく大事にしたいと思っています。株式上場も視野にありますが、あくまで手段として利用したい。良い人材を集め、事業をより良いものにして組織がハッピーになっていくための手段ということです。上場は大事な要素で重要なカードだと思っていますが、目的にはしたくありません。
 そうは言っても現在の80人の社員が100人、200人と増えていけば、事業が成長していくようにしなければ社員にチャンスを与えられないし給与も伸ばすことができません。優秀で情熱のある人たちを、いかに仲間に加えていくかも重要になってきます。そういう意味では、パブリシティと成長軌道のためには上場がテーマであることは認識しています。

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