苫東・成田一憲社長インタビュー「自動運転テストコースを誘致」

経済総合

 苫小牧市東部に広がる総面積1万700haの苫東産業地域。緑地帯を除いた産業用地5500haのうち、約2割が分譲を終えており1割はメガソーラーなどに賃貸、目下の利用率は3割。新千歳空港や苫小牧港に近く、高速道路や鉄道も走る立地の良さと広大な面積が残っている同産業地域の今後について苫東(本社・苫小牧市)の成田一憲社長(66、元北海道公営企業管理者)に聞いた。IMG_9279(写真は、成田一憲社長)

 ――最近の進出例を聞かせてください。

 成田 東日本大震災をきっかけに再生可能エネルギー分野でシャープ、ソフトバンクのメガソーラー進出が相次いだ。Jファームのトマト栽培、苫東ファームのイチゴ栽培も始まった。2016年9月からは、北海道そば製粉も操業を開始した。長野市の日本最大のそば製粉会社、日穀製粉が北海道の良質なそばに目を付けて、深川でそば生産をしている湯内農場と共同出資で北海道そば製粉を設立したもので、両者の間を北海道銀行が仲介し、道銀のアグリビジネスファンドも出資。官公庁補助金を活用して苫東での工場建設に繋がった。苫小牧市内には食品関係の工場が少なかったため、本格的な食品工場ができて大変嬉しく思っている。

 また、住宅資材卸販売のナイス(本社・横浜市鶴見区)が道内ホームセンターや工務店向けに物流センターを新設、コメリ(同・新潟市南区)も来春稼働に向けて大型物流センターを建設している。

 ――誘致についての考え方は。

 成田 次の展開の弾みになりそうなのが、苫小牧埠頭(本社・苫小牧市)が60億円を投じて苫小牧港に建設する食品用の2万t大型冷蔵倉庫。苫東ではトマト、イチゴ、そばと食品関係の流れが出来てきたので、19年春から稼働するこの倉庫を核に食品加工業などの集積を図っていきたい。道の政策でもある道産食品輸出の拡大に向け、苫東で加工して苫小牧港からアジアに積み出すような流れを作りたい。それがこれからの一番の狙いになる。

 大型倉庫を有効に活用するため、当社や苫小牧埠頭、食品関係の学識経験者、ホクレン、倉庫業者などでプロジェクトチームを作っており、物流面で苫小牧を拠点に新しい仕組みが作れないかも模索している。

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