政府系の地域経済活性化支援機構の子会社、日本人材機構(本社・東京都中央区)と北洋銀行(同・札幌市中央区)は、21日から北海道の地域企業の生産性向上に向けた共同事業を開始した。(写真は、北洋銀行セミナーホールで行われた共同記者会見。左から順に日本人材機構・小城武彦社長、北洋銀行・石井純二頭取、北海道共創パートナーズ・堀口新社長、北洋銀行・竹内厳常務=北洋銀提供)
日本人材機構の子会社、北海道共創パートナーズ(本社・札幌市中央区)に北洋銀行が資本参加して連携体制を構築。地域企業の本社機能を代行・補完して経営課題を解決に導く、いわゆる“伴走型支援サービス”を提供する。
北海道共創パートナーズは、2017年9月27日に日本人材機構100%子会社として資本金2500万円で設立された。今回、同社が21日付で2450万円の第三者割合増資を実施、北洋銀行が引き受けた。新資本金は4950万円で人材機構50・51%、北洋が49・49%の構成。
人材機構は人材で地方創生を後押しすることが事業目的。全国の地域企業の中には戦略策定、組織設計、経営幹部採用など経営継続の中枢部分に問題を抱えている企業が多い。
北洋の資本参加によって北海道の地域企業を対象に財務・経理面だけでなく、競争力強化の人材紹介なども含め地域、企業、銀行の共通価値創造に向けて北海道経済の触媒役を進める。
北洋の石井純二頭取は、「私ども銀行には様々な取引先があるが、伴走しながら経営を一緒にやってほしいというニーズが非常に強い。しかし、銀行員は経理、財務のアドバイス、融資の案内に走りがち。本来、お客が求めている経営目線で顕在化している課題にどう取り組むか、潜在化している課題をどう掘り起こして解決していくかは課題だった」と語ったうえで、「今回、(北海道共創パートナーズに)出資をして人を派遣、企業が抱える課題を一緒に考え、必要であれば社長の片腕になる人材も機構を通じて紹介したい。お客が求める本来課題にアプローチする一方、銀行の人材も育成していく」と話した。