社会保険や労働保険の手続きなどを企業から受託しているSATO社会保険労務士法人(札幌市東区)は11月1日、上川郡東川町進化台の旭川福祉専門学校第2校舎内に「東川ファクトリー」を開設した。同校などで日本語を学ぶ外国人留学生60人を雇用、入力作業などをしてもらう。専門学校内にこうしたセンターを設けるのは珍しい。(写真は、東川ファクトリーの開所式。SATO社労士法人提供)
SATO社労士法人は、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡にオフィスを設けているほか上海にも事務所を開設している。日本マクドナルドやスターバックスコーヒージャパン、マルハン、スシローなど5000を超える企業や団体の労務管理手続きを受託している。
人手不足からこうした労務管理手続きの外注需要は高まっているため、SATO社労士法人は受託体制を強化する必要があると判断。日本語を学ぶ外国人留学生のアルバイトニーズに応える形で学校法人北工学園が運営する、旭川福祉専門学校内の空き教室に事務処理スペースを設けることにした。
1日には、SATO社労士法人や人材派遣のキャリアバンク(本社・札幌市中央区)、給与計算アウトソーシングのエコミック(同・同)などで組織するSATOグループの佐藤良雄代表ら関係者が出席して同校で開所式が行われた。
「東川ファクトリー」は、情報漏洩対策を施したうえで約40台のパソコンを設置、年金関連のデータ入力などを外国人留学生に任せる。SATO社労士法人の担当者が常駐して指導、研修をする。
同専門学校には中国やタイ、ベトナムなどから150人の留学生が日本語学科で学んでいる。多くの留学生は、学費や生活費を法務省の定める週28時間のアルバイト代で賄っている。SATO社労士法人は、留学生のニーズに応えるため専門学校と協力して学びの場で働ける環境を整えた。
SATOグループでは、留学生の卒業後の就職についても道内企業とのマッチングに結び付けたい考え。