サツドラホールディングス(HD、本社・札幌市北区)は、子会社のサッポロドラッグストアー(同・同)やリージョナルマーケティング(同・同)が持つPOSデータ(販売情報)やノウハウなどをオープン化することを決めた。それらデータの活用を望む企業や自治体などと共にプラットフォームを構築、スマートフォンを利用したIoTなどで社会的な課題解決に結び付けていく。(画像は、プラットフォームの名称である「サツドラ・イノベーション・プラットフォーム」のロゴマーク)
北海道は少子高齢化のスピードが全国よりも早く、様々な課題を抱える先進地とも位置付けられている。サツドラHDは、傘下のグループ各社が持つデータやノウハウ、リソースをオープン化することによって企業や自治体、研究機関を呼び込み、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を駆使して課題解決を進めることにした。
オープン化するのは、サッポロドラッグストアー店舗の購買履歴や売れ筋商品などのデータと、リージョナルマーケティングが発行している地域共通ポイントカード「EZOCA」会員約150万人分の属性データなど。いずれも個人情報を除いたものを活用する。
サツドラHDでは、「買い物」、「健康」、「働き方」、「金融・通貨」、「移動」の5つのテーマを軸に新たなテクノロジー開発を進めようとする企業、自治体、研究機関などに呼びかけ「サツドラ・イノベーション・プラットフォーム」を構築する考え。
11月初旬からはトヨタと組んで、クルマなどで移動する際にAIが利用者の好みに応じて目的地や途中の飲食店や小売店のクーポン、イベント情報を提供する「みちくさナビ」の実証実験を始める。また、シェア自転車のモバイク・ジャパンと組んで新たなサービス提供も模索している。
ドラッグストアなど小売業界にとって購買データなどは競争力の源泉でもあるため、外部にオープンにしないのが一般的。サツドラHDのように、AI、IoTといった先進テクノロジーに活用するためこれらデータをオープン化するのは珍しい。