札幌に本社を置く上場食品スーパー(スーパーマーケット=SM)3社の8月度売上高前年比によると、各社とも既存店ベースは前年並みや前年割れで、消費の底堅さは見られなかった。9月以降の消費変調を懸念する声も出ている。(写真は、スーパーアークスに転換前のラルズマート北野店=2017年8月10日撮影)
アークス(本社・札幌市中央区)は、全店売上高が前年同月比100・1%、既存店売上高は同100・2%だった。全店、既存店ともに2ヵ月連続で前年同月を超えたものの、1%増に届かない微増にとどまっている。
客数は全店が同98・9%、既存店が同99・3%だった。全店ベースの客数が前年を割り込んだのは4ヵ月連続だった。客単価は、全店が同101・3%、既存店は100・9%。
同社は3~8月の上期分の前年同期間比もまとめた。以下の通り。
■売上高 全店100・6% 既存店100・5%
■客数 全店99・4% 既存店99・7%
■客単価 全店101・2% 既存店100・8%
マックスバリュ北海道(本社・札幌市中央区)は、全店売上高が前年同月比100・7%、既存店売上高が同101・2%になった。この1年間で閉店3店舗があったため全店売上高の伸びが鈍った。生鮮食品のうち青果、水産は売れ行きが鈍く、畜産は好調だった。天候の影響でアイスや飲料は振るわなかった。
同社も3~8月の上期分をまとめている。以下の通り。
■売上高 全店101・3% 既存店102・6%
北雄ラッキー(本社・札幌市手稲区)は、全店・既存店の売上高が、前年同月比98・1%だった・この1年間で閉店や新店がなかったため全店と既存店は同じ数値。客数は同97・3%、客単価は同100・8%だった。青果の相場安、水産は主力魚種の不漁で生鮮食品に勢いがなかった。真夏日がないなど天候異変で夏物商品、衣料は厳しかった。コメは好調に売り上げを伸ばしている。
SM3社に共通するのは、8月単月の低成長ではなく、少なくとも5月以降、消費の腰の弱さが売上高や客数に現れていること。各社とも消費の底流にあるトレンド変化を感じ取っているようだ。