マックスバリュ北海道(本社・札幌市中央区)の2017年2月期の売上高は1232億400万円になり、ラルズ(同・同)の1270億2500万円(17年2月期)に近づいてきた。しかし、経常利益では大きく水をあけられている。利益率拡大は大きな課題となっているが、その一つが承継店舗の早期黒字化。出戸信成社長(51)へのインタビュー2回目は、承継した21店舗の状況と利益極大化に向けた取り組みを中心に聞いた。(写真は、マックスバリュ北海道の『ザ・ビッグ』で1番の売り上げを持つ宮前通店)
――2017年度から新中期経営計画がスタートしましたが、その骨子はどのようなものですか。
出戸 計画では3ヵ年最終年の19年度に売上高1460億円を目標にしています。現在より約230億円上乗せする計画です。売上高で年間5%ずつ伸びれば大まかに60億円ずつ増えますから、M&A(企業の買収・合併)をしなくても実現可能な目標になっています。
新店を出すと1店舗で約20億円、3店舗出店すると60億円ですから1年間で120億円くらいは伸ばせるインフラがあります。すべて順調にいけば2年間で目標を達成できますが、実際には店舗のS&B(スクラップ&ビルド)もしなければならず、そう簡単にはいかないと思っています。
――今期の設備投資額はどのくらいになりそうですか。
出戸 前期は29億円の投資をしましたが、今期は35億円を予定しています。旭川・緑が丘の「ザ・ビッグ」出店は過去にも検討したものの断念していた場所への再トライです。旭川市内は現在、「ザ・ビッグ宮前通店」の1店舗ですが、売り上げが伸び続けて対応しきれなくなっているため新たに出店することにしました。
北海道では札幌、函館、旭川、帯広、苫小牧、釧路はカバーしなければならないエリア。しかし、旭川にはこれまで1店舗のみでした。今度の新店を含めて複数店舗によるドミナント化を目指したい。一つのエリアに5~6店舗あれば間接スタッフも常駐して様々な情報が集められ、地域に機動的に対応できるようになります。
—―承継した「いちまる」の店舗から「マックスバリュ」に転換した店舗は前期3店舗でしたが、帯広・十勝でも「マックスバリュ」の名前が浸透してきたようですね。
出戸 昨年3店舗を改装しましたが、最初の「稲田店」の売り上げがぐっと伸びた時はほっとしました。あの店は、前年比150%近く伸びました。それまでは前年比80%台で推移して商品の欠落などもあったので転換リニューアルは正しい判断でした。
「稲田店」規模の店は改装すれば帯広でも通用することが分かったので、「イーストモール店」を改装、こちらは130%台で伸びています。規模はやや小さいですが「中札内店」も110%くらいは伸びました。
小面積のいちまる店舗をどう改装していくかが今期の課題で、5月に改装した「池田店」をモデルケースにしたい。街の人口がそれほど多くない地方でどれだけ流出している買い物客を止められるか、様々な実験をしていきます。