北央信組など全国9信組と日本公庫が「農業ファンド」   信組広域連携の第1弾

金融

 北央信用組合(本店・札幌市中央区)など全国9信用組合と日本政策金融公庫(本店・東京都千代田区)は、成長が期待できる農業法人に出資するファンドを共同で設立、運営を開始した。北海道からは北央信組のみが参加しているが、同信組の営業地区には、上川や日高、胆振の農業地域があるため農業法人への出資を通じて地域振興を後押しする。リアルエコノミー佐久間様(合同プレス写真)(写真は、3月8日に東京で行われた農業ファンド運営開始の記者発表。左端が北央信組の林伸幸理事長=北央信組提供)

 ファンド名は、「信用組合共同農業未来投資事業有限責任組合」。参加した9信組は、北央信組のほか秋田県信組(秋田県秋田市)、いわき信組(福島県いわき市)、あかぎ信組(群馬県前橋市)、君津信組(千葉県木更津市)、第一勧業信組(東京都新宿区)、糸魚川信組(新潟県糸魚川市)、都留信組(山梨県富士吉田市)、笠岡信組(岡山県笠岡市)。
 昨年夏に第一勧信の呼びかけで全国の信組が連携・協力する「地方連携」に加わった9信組が、ファンド設立に合意して実現したもので、信組の広域連携事業としては全国初になる。

 出資額は3億6000万円。内訳は9信組が各2000万円、日本政策金融公庫が1億7600万円、ファンドを運営する第一勧信100%出資の恒信サービスとジャスダック上場のフューチャーベンチャーキャピタル(京都市中京区)が各200万円。

 各信組の営業エリア内で大型化や機械化、高付加価値化に取り組む農業法人に出資し、概ね10年で出資先に株を買い取ってもらい投資資金の利ザヤを得る。

 北央信組は、旭川商工信組や千歳信組、共同信組の事業を引き継いだため営業エリアが広く農業が中心の地域も多い。ただ、農業法人との取引はほとんどないため関係機関と連携して出資先の発掘を進めていく考えだ。信組の取引先は商工業、建設業が多く農業分野は未開拓に近い。ファンドを通じて信組が得意とする地域密着営業がうまく絡み合えば、農業と商工業のビジネスマッチングも期待される。 

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