道の特別職に続く4月1日付け部長級人事が公表されたが、驚きの声がさらに広がっている。特別職人事では、これまでも「?」が多々あり幾分「またか」の感があったが、今回は部長級人事にも及び、それも「ここまできたら異常としか言いようがない」という声もあがるほどだ。(写真は、4期目当選時の高橋はるみ知事=2015年4月12日、札幌市内の選挙事務所で)
まず驚かされたのが、総合政策部長だ。窪田氏の副知事登用で空いたポストだが、下馬評では小玉俊宏・環境生活部長、小野塚修一・経済部食産業振興監らで、各々当面する道政課題に対応する評価を得ておりこのあたりが順当とみられていた。はっきり言って、佐藤嘉大氏という見方はなかった。
佐藤氏は、人事局長、原子力対策局長、危機管理監と進み年齢も既に59歳ということから退職とみられていた。2年経てば61歳である。総合政策部長は事実上の筆頭部長であり、守備範囲は広い。幅広い識見力量が求められる。そのポストに定年に達する日も近い佐藤氏が何故、起用されるのか。「彼にはどういう実績があるのか」――疑問の声があがるのは当然である。
もう一人いる。建設部長の渡邊直樹氏(58)である。こちらは総合政策部交通企画監からである。その彼が建設部長に就いた。多分、道内の建設業界ではほとんど知られていない人物だ。しかし、建設部と無縁というわけではない。今から10数年以前に土現の事業部長を経験している。その後はHAC(北海道エアシステム)や建設部の一局であった航空局に勤務、同局の総合政策部移管と共に航空局長として勤務した後、交通企画監となった。事実上、建設部の本来業務からは10数年離れているのである。
一般的に建設部は土木、建設の2つの流れがあり、中でも土木は道路、河川の2グループに分かれるなど難しい部局である。そこに土現所長も経験したことのない人物が部長に抜擢された。落下傘部長そのもの。一体、何ができるのか。おそらく課長級以下はほとんど面識がないだろう。