函館港で大型クルーズ船に対応できる専用ふ頭が建設される。現在は、JR函館駅から5・5㎞も離れた五稜郭駅に近い港町ふ頭に接岸しているが、新ふ頭は函館駅からわずか200mの至近距離。全国の大型クルーズ船ふ頭の中で特急が止まる駅に最も近いふ頭になる。(写真は、青函連絡船記念館の摩周丸。この付近にクルーズ桟橋が出来る)
北海道開発局の2016年度2次補正予算で函館港の大型クルーズ船向け岸壁整備の調査費6億3000万円が計上され、今後5~6年を掛けて青函連絡船記念館の摩周丸が展示されている若松地区に新ふ頭が建設される。水深を現在の8mから10mにして360mの岸壁を作り、15万t級の大型クルーズ船が接岸できるようにする。
新ふ頭の最大のポイントは、JR函館駅や函館朝市に直結、函館観光がより便利になる点。現在、大型クルーズ船は、コンテナ用ふ頭の港町ふ頭を利用しているため函館中心部から遠く、コンテナ用で岸壁には業務施設しかなく観光地にそぐわない景色が広がっている。
若松地区に新ふ頭が建設されると、朝市が船の目の前に広がり、JR函館駅や赤レンガ倉庫群も至近距離。北海道開発局の今日出人局長は、「全国で最も特急が停車する駅に近いクルーズ船桟橋になる」と話している。
なお、17年の北海道へのクルーズ寄港回数は15年比15・3%増の113回で、14年の157回に続く過去2番目の記録になった。内訳は日本船が54回、海外船が59回。最多寄港地は、函館港の31回だった。