根室市の2016年1~12月のふるさと納税額が34億4876万円になり、全道1位になった。15年6月から返礼品にカニやエビなど地元特産品を品揃えしてから納税額が急増。時期はズレるが15年度の2・6倍に達しており今後も東京、大阪からのふるさと納税が続きそうだ。(写真は、長谷川俊輔根室市長)
根室市のふるさと納税は、制度が始まった08年度当初は、年間50件程度しかなかった。ここ数年間を見ても13年度が納税件数31件、納税額727万円、14年度は同56件、同326万円とほとんど制度の恩恵を受けていなかった。
しかし、15年6月から返礼品に地元特産品のカニ、エビ、サケ、地酒、宿泊券などを品揃えすると、納税額が急増。15年度は件数約5万6000件、納税額は約12億9000万円とケタ違いになった。16年度に入ってもこの勢いが続き、1~12月の暦年で34億4876万円、納税件数も約16万9000件に達した。
納税は、主に東京や大阪など大都市圏からが8割を占める。長谷川俊輔市長は、「やはり根室の海の幸は、全国的に大きく評価されていることを改めて実感させられました」と話す。
根室市は、ふるさと納税の使途として根室市総合計画(15年度~24年度)や根室市創生総合戦略(15年度~19年度)に沿った①安心と支え合いのまちプロジェクト②ひととしごとを呼び込むプロジェクトのほか、北方領土返還運動に関する事業などを選べるようにしており、使い道が分かることもポイントになっているようだ。
同市の市税収入は約29億円。ふるさと納税で集まった寄付金のうち返礼品の代金を半分としても、16年度は15億円以上の寄付金収入になる見通し。