恵庭開発(本社・札幌市東区)は、太陽光発電事業を強化する。来年には兵庫県姫路市に10メガワット級の太陽光発電施設を建設、現在建設中の設備も含めて全国6ヵ所とする。太陽光発電投資のためみずほ銀行と北海道銀行とシンジケートローン契約も結んだ。また、このタイミングで函館国際ホテルを米国の投資ファンドグループに売却した。(写真は、恵庭開発が売却する函館国際ホテル)
恵庭開発は、2013年11月に太陽光発電事業に着手。これまでに苫小牧市錦岡地区で0・8メガワット、根室管内標津町で1メガワット、広島県東広島市で2メガワットの太陽光発電施設を稼働させており、北海道電力や中国電力に売電している。
さらに、今年11月完成を目指して広島県福山市、来年5月完成を目指して宮崎県国富町でもそれぞれ2メガ級施設の建設を進めている。これら5施設への投資額は約27億円だが、来年には兵庫県姫路市で10メガワットの大規模太陽光発電施設を建設することになっている。
既存業者から太陽光発電の権利を買い取って建設するため旧制度が適用され、およそ20年間に亘り固定価格での買い取りが続く。このため、投資利回りは4%程度と見込まれている。ただ、総投資額は40億円程度になるため、みずほ銀行と道銀とのシンジケートローン契約を結んだ。このタイミングで同社が所有運営していた函館国際ホテルを米投資ファンドでホテル運営部門もあるフォートレス・インベストメント・グループLLCに売却することを決めた。
函館国際ホテルは、旧ニチロ本社があった函館市大手町に1971年に開業。恵庭開発は、2012年8月、マルハニチロホールディングスから同ホテルを取得、運営してきた。今年3月の北海道新幹線新函館北斗開業で、稼働率は上昇しているものの耐震化のために約20億円が必要なことから、ホテル運営部門をグループに持ち、2年前から取得意向を示していたフォートレス社に売却することにした。従業員の雇用は継続される。9日同ホテル従業員に公表、売却は25日に行う。
柴田和徳会長は、「耐震化投資負担が大きいため手放すことにした。今後は、恵庭カントリー倶楽部、登別カントリー倶楽部のゴルフ場経営に次いで太陽光発電事業を柱にしていく」と話している。
※2016年8月10日記事一部修正