北洋銀行(本店・札幌市中央区)は16日、生物多様性保全のため同行が設けた「ほっくー基金」のうち100万円を「人と海鳥と猫が共生する天売島連絡協議会」に助成した。札幌市西区の北海道獣医師会館で贈呈式が行われ、同行の横内龍三会長が道獣医師会会長で同協議会会長を兼務する高橋徹氏に寄付金目録を手渡した。今年度の「ほっくー基金」助成先は同協議会のほか6団体で各100万円、総額700万円が贈呈される。(写真は,ほっくー基金の贈呈式。北洋銀行横内龍三会長=右と北海道獣医師会高橋徹会長)
「ほっくー基金」は、北洋銀のマスコットであるクマの愛称を使った生物多様性保全の基金で2010年に設立された。「ほっくー定期預金」の預金者と同行が一緒に作る基金で、預金者に満期を通知する案内をせず郵送料相当額を基金に拠出してもらうほか、同行が同定期預金の年度末残高の0・01%を拠出して造成する。
現在、約2万7000口座、残高は約700億円で郵送料相当分の寄付と0・01%分の拠出で毎年約700万円の基金ができる。これを原資にして道や北海道環境財団と北洋銀などで構成する「ほっくー基金選定協議会」が生物多様性保全に取り組む団体や個人を選定して毎年7先に助成。この取り組みは昨年度から札幌商工会議所が始めたCSR経営表彰の環境貢献部門を受賞している。
今年度の助成先の一つである「人と海鳥と猫が共生する天売島連絡協議会」は、海鳥の繁殖地として世界的に貴重な天売島の生態系を守るためにペットから野生化した猫を捕獲して里親探しを実施している団体。羽幌町や天売島民、道獣医師会、道で構成されており、子供たちに命の大切さを訴える教育も実施している。
贈呈式で横内会長は、「海鳥を守るため野良猫を駆除するのではなく、人に馴らせて里親を探す取り組みやこうした命の大切さを子供たちに伝える活動にも注力されていることが評価された」と選定理由を述べた。
同協議会の高橋会長は、「全国に胸を張って言えるのは、野良猫を駆除するのではなく避妊矯正手術をして島外に出し新しい飼い主を見つけて飼ってもらうまでの取り組みをしていること。ボランティアの協力もいただき皆で協力して行っているので励みになる」と話していた。
(贈呈式後の記念撮影)
その他の助成先は次の通り。
■カラカネイトトンボを守る会(札幌市)
■日本鳥学会(札幌市)
■エゾシカ食肉事業協同組合(斜里町)
■公益財団法人知床財団(斜里町)
■大沼ラムサール協議会(七飯町)
■山歩集団青い山脈(松前町)
基金設立以来の助成先はこれで33団体、総額3640万円になった。
※2016年6月17日記事一部修正