2030年度に延伸開業予定の北海道新幹線札幌駅のホーム位置について、札幌商工会議所の高向巖会頭は、JR北海道が検討している現駅東側の創成川をまたぐ「東側案」に賛成する意向を示した。「東側の空き地を有効利用して道都札幌の駅に相応しいスペースを用意した方が良い。(現駅を利用した)ぎりぎりのことはしない方が良い」と話した。(写真は、北5東1から望むJRタワー)
新幹線ホームについては、JR北海道が既存の1番線、2番線を使う認可案の実現は在来線への影響が及ぶため難しいとの考えを示し、昨年は「西側案」を検討。しかし、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構や市、道内経済界が反対して中止した経緯がある。
今年に入って、JR北海道は現駅から東に300m離れた創成川や石狩街道をまたぐ位置に新駅を建設する「東側案」を市や機構に提示したことが明らかになった。市や機構は、乗降客の利便性や駅前をベースにしたまちづくり全体に関わる問題として反発、現駅を使う認可案を実現するべきという立場を堅持している。
札商の高向会頭は、「確かに『今ごろになってなんだ』という気持ちはあるが、それでは議論が前に進まない。解決までにそんなに時間をかけておれない。道都札幌の駅なのでそれに相応しいスペースを用意しなければならず、東側の空き地を使った道都札幌に相応しい駅前の広場も必要になるのではないか」とJR北海道の「東側案」を支持する意向を示した。
ただ、市の反発は大きいため当面はJR側の出方を待つとしており、機が熟せば「市とJRの仲介役として札商が役目を果たしたい」と話している。
新駅を東側に作れば、札幌市が所有し、現在は時間貸し駐車場として使われている北5西1の土地や北5東1の日の丸産業社所有地(現在は時間貸し駐車場)の有効活用にも繋がる。故・坂本眞一JR北海道相談役は、JRタワーをもう一棟作るツインタワー構想も描いていたとされる。
高向会頭は、「東側に新幹線駅を作ることで札幌延伸を早めることも期待できる」と話した。