北洋銀行の6月役員人事で、旧北海道拓殖銀行出身役員2人が退任する見通しだ。“旧拓三羽烏”の1人で最後まで北洋に残っていた青山俊彦氏と本店営業部本店長の藤澤隆司氏の2人で、青山氏は日本清酒の社長就任が取り沙汰されている。(写真は、北洋銀行本店や本部などが入っている北洋大通センター)
旧拓銀の営業譲受から13年、旧拓銀出身者の世代交代が加速しそうだ。
北洋銀行が旧拓銀を吸収した当時、拓銀三羽烏と呼ばれたのが、星野尚夫、檜森聖一、青山俊彦の3人。1970年の同期入行組で、拓銀が存続していれば役員間違いなしと言われていただけに北洋でもいち早く役員に就任し、旧拓出身ながら北洋の現在の姿を形作ってきた功労者でもある。
星野氏と檜森氏は北洋を去り、星野氏は札幌市の第三セクター、札幌振興公社の社長、檜森氏は北洋のシンクタンクである北海道二十一世紀総合研究所の社長を務めている。星野氏は、札幌観光協会会長にも就いている。
一方、青山氏も6年前に北洋を去り、関係会社の札幌北洋リース社長に就いていたが、北洋が1000億円の公的資金注入を受けて中小企業向け貸出しを増やすことになり、その先導役として再び北洋に復帰した異例の人物。現在の役職は、常務執行役員融資第一部経営改善支援室担当。
青山氏は、日本清酒社長に就くのではないかと取り沙汰されている。
現在の日本清酒社長は、旧拓銀出身の白髪良一氏。白髪氏は1939年4月生まれの71歳。97年7月に日本清酒に入り、99年12月に社長に就任しており現在12年目。
青山氏は47年4月生まれで63歳。青山氏が社長に就任すれば、白髪氏は会長に退くものと見られている。
一方、退任の噂が出ている藤澤氏は57歳。2007年6月に常務執行役員本店営業部本店長に就き、08年6月から取締役に昇格している。北洋銀は、今年1月11日に大通支店と本店営業部を統合したばかり。そのため藤澤氏の退任は流動的。