激安食品スーパー『ザ・ビッグ』の専門部隊・特攻野郎Aチームの姿

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過熱する札幌圏の食品スーパー戦争は年末を迎えてますますヒートアップ。連日のチラシ、ポイント合戦は師走の最終週に向けて一層激しさを増す。そんな中、札幌圏で激安を標榜する『ザ・ビッグ』の専門部隊の中身が分かった。『食品スーパー業界の特攻野郎Aチーム』とも言われるザ・ビッグの形とは――。


『ザ・ビッグ』は、もともとマックスバリュ西日本の広島で始まったローコスト運営の食品スーパー。その後、マックスバリュ東北の郡山でも始まり、店舗再生の手法として他のマックスバリュグループ内でも導入が進んで行った。
同じイオングループで北関東のカスミが展開する『フード・オフ・ストッカー』や東京中心のマルエツなど小型店の再生で実績を挙げている店舗のノウハウなども織り込み、マックスバリユ北海道が『ザ・ビッグ』を始めたのは今年2月。
小型店の平岸、中型店の栄町、郊外型NSCの岩見沢、旧イトーヨーカドーの跡を使ったSC店の江別、大型面積の西岡と今年2月以降、偶数月に矢継ぎ早に出店して現在は札幌圏に5店舗を展開している。
平岸は『プライスマート』、栄町は『ジョイ』、岩見沢、江別、西岡はいずれも『マックスバリュ』としてそれぞれ運営していたが業績が下降、店舗再生のために『ザ・ビッグ』に転換した。
中でも、西岡店は程近いところに閉鎖していたイオンSCが『イオン西岡SC』として今年5月にオープン、マックスバリュ西岡店に入居していたテナントがそちらに移るなど店舗内に空きスペースが目立ってきたため、起死回生策として『ザ・ビッグ』へ転換した。
マックスバリュ北海道には、『ザ・ビッグ』の店舗展開を同社の別の店舗である『マックスバリュ』、『札幌フードセンター』『プライスマート』とは別個に独立させている。農産、水産などバイヤーのほかコーディネーター1人、それにセットアップチーム8~10人で構成されている。
セットアップチームは、農産、水産から選抜され店舗を出すときに教育する専門チームだ。
セットアップチームのメンバーは、本州で運営ノウハウを習得してきた実践部隊で、いわばマックスバリュ北海道に勢いをつけるための特攻野郎Aチームの位置づけだ。
店舗を回すのは正社員で平均4人。『マックスバリュ』店舗は7人程度で回しており、正社員の比率は3分の2で対応している。
『ザ・ビッグ』がローコスト運営で利益を出せる店舗かどうかは、来年1月期の決算を閉めてみなければ分からないが、同社の山尾啓一社長の表情から以前の険しさが消えている。曙光が見え始めたようだ。
(写真は、ジョイからザ・ビッグエクスプレスに転換した栄町店)

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