前道教育長の吉田洋一さんが塾頭を務める北海道師範塾「教師の道」が、北海道教育の日に当たる11月1日から本格的に活動を始めた。
現役の教師や教頭、校長を対象に教育に関するお互いの悩みや考え方を向上させていこうというもので、教師を目指す大学生の参加も期待している。「子供たちのためにもっと頑張りたいと思っている教育関係の方ならどなたでも自由に参加して議論を深めてもらいたい」と吉田塾頭は語っている。
開塾記念のセミナーは、来年1月13日(木)と14日(金)の2日間、ホテルライフォート札幌で行われる。教師力や人間力の向上について北海道師範塾の副塾頭を務める鈴木重男・道文教大准教授、白髭俊穂・道体育協会専務理事、長野藤夫・雄武町立雄武中学校校長など8人が講演。1日目には参加者同士の意見交流会も予定されている。
子供たちを巡る環境は、以前と比べものにならないくらい複雑で多様化している。一人ひとりの先生は真剣に子供たちと向き合っているが、頑張れば頑張るほど孤立してしまう傾向にある。こうした熱心な先生方に広い見地から教師力や人間力などについて話し合い、頑張るエネルギーをお互いに補給し合おうというのが、今回の北海道師範塾の設立動機。
ともすれば、横のネットワークが築けない中にあって、共感し合い子供たちのために全力投球する教師のリフレッシユの場とも位置づけている。
師範塾の副塾頭や参与には吉田さんのほかに、前出の白髭さん、鈴木さん、長野さん、さらに巻渕雄二・道給食会理事長などの名前がある。いずれも道の教育庁に勤めたOBで、現役時代は道の教職員で作る労働組合、
「北教組」と様々な局面で戦ってきたメンバー。とりわけ、吉田、白髭、巻渕の3氏は北教組の「四・六協定」を全面破棄に持ち込んだ主要メンバーで鈴木、長野の2人も北教組と戦ってきた。
北海道師範塾のエンジン部分にこうした対北教組の闘士が揃ったわけで、「左の北教組、右の師範塾」という構図が俯瞰的には感じられそう。ちなみに、師範塾の講義には日の丸は必ず掲揚するという。