旧文書館別館が「北菓楼札幌本館」に、2016年3月18日リノベーションオープン

経済総合

 砂川市に本店がある菓子メーカー「北菓楼」は、2016年3月18日(金)に、札幌で初めての路面店「北菓楼札幌本館」を旧文書館(もんじょかん)別館跡(札幌市中央区北1西5)にオープンする。旧文書館別館は1926年に北海道初の本格的図書館として表参道(北1条通り)に建てられた歴史的建造物で、北菓楼が道から取得してリノベーション(修復再生)していた。IMG_0479(写真の右手前の建物が北菓楼札幌本館になる旧文書館別館。左には道庁赤れんが庁舎が見える=2015年12月12日午後撮影)

 旧文書館別館は、摂政官(後の昭和天皇)行啓記念事業の一環として建設され、設計は北大総合博物館などを担当した萩原惇正を中心とする道庁建築家技師ら。直線を用いた幾何学的意匠を特徴とする外壁は、歴史的な価値が高く当時の札幌を偲ばせる数少ない建築物。
 
 67年まで図書館として利用され、その後は道立美術館となり87年から2014年まで道庁文書館別館として古文書等の保管場所に利用されてきた。90年には札幌市の「さっぽろ・ふるさと文化百選」に選ばれている。
 
 昨年、この文書館を道から取得した北菓楼は、建造物の歴史的価値を生かした店舗とするために補修再生を行ってきた。南側、西側の外壁保存を前提に耐震、耐候性を高める改修を実施、竣工当時のインテリアがほぼ原形に近い状態で保たれていた一階正面玄関は適切な補強補修で現状のまま保存することにした。
 
 さらに以前の改修で失われた塔屋の屋根を復元、格調高いオリジナルデザインを再現した。基本デザインは、安藤忠雄建築研究所が担当し設計施工は竹中工務店。
 
 来年3月18日にオープンを迎える際には、1階が北菓楼札幌本館のショップ、2階は吹き抜けの多目的スペースになりカフェとともに様々な文化的催事を開催するほか建物の歴史を展示するメモリアルギャラリーの設置も予定している。
 
 札幌の中心部に地方の人気菓子メーカーが路面店を展開する動きは活発になっており、六花亭(帯広市)は今年7月5日、中央区北4西6に10階建ての六花亭札幌本店をオープンしている。北菓楼は年商約31億円で「ホリ」との2ブランド戦略を取っている。

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