地方イベントと宿泊のミスマッチが9月末に開催された1回目のオホーツク網走マラソンで如実に表れた。参加者の数に網走市内のホテルの客室数が足りず網走近郊の市町村に参加者たちは分散せざるを得なかったが、開催日が迫るに連れて網走市内のホテルには多くの空室が生まれたからだ。エージェント(旅行代理店)の“保険”がミスマッチを誘発したようだ。(9月27日に開催された第1回オホーツク網走マラソン。網走刑務所がスタート地点になった。写真は、鏡橋を渡る参加者、左は刑務所の赤レンガの壁)
夏から秋にかけてオホーツク・網走地域には多くの観光客が訪れる。インバウンドもそうだが道内外の日本人観光客も海の幸、山の幸を求め、能取湖の自然を堪能しに訪れる。ただでさえ、ホテルのキャパシティがタイトな9月末、水谷洋一市長肝煎りの第1回オホーツク網走マラソンが行われた。
参加者の数はおよそ2600人。地元周辺の参加者を差し引いても2000人近くが札幌圏や首都圏などから訪れた。
早い段階から市内のホテルはエージェントの仮押さえでほぼ満杯に。参加者たちは北見や紋別など周辺に分散宿泊せざるを得なくなった。北見から網走までは車でざっと1時間。参加者たちにとってはハンディになる。
ところが、大会の数日前からエージェントは仮押さえをリリース(離す)していく。エージェントがかけた“保険”を手放し始めたからだ。つまり想定よりも実際の宿泊が少なかったという訳。キャンセル料の発生する前に仮押さえをリリースされても空いた客室を埋めるにはホテルの努力だけでは難しい。まして、道外の参加者たちは客室のキャンセルを想定して直前に予約をするような余裕はない。結果的に、網走市内約2600室の客室のうち1割以上が空室という事態になった。
大会は午後から悪天候に見舞われたものの網走の新イベントとして着実な実績を積んだ。しかし、これほど多くの参加者がありながら大会直前の市内ホテルはがらがら。入り込み客と宿泊施設のミスマッチを解消する手立てが次回以降に求められそうだ。