新たな事業領域に挑戦する優れた起業家を発掘するアントレプレナー・オブ・ザ・イヤーの2015年北海道ブロック大会が28日、札幌市中央区のセンチュリーロイヤルホテルで開かれた。北海道大会は今年が3回目で新日本有限責任監査法人が窓口を務め、ベンチャー経営者や支援機関などから約100人が出席した。道地区を代表する起業家には北の達人コーポレーションの木下勝寿社長、特別賞にはヒューマンリンクの田中紀雄代表取締役が選出された。(写真は、昨年の道代表のジーンテクノサイエンス河南雅成社長=左からトロフィーを授与された今年の道代表、北の達人コーポレーション木下勝寿社長)
(写真は、1回目の道代表、クリプトン・フューチャー・メディア伊藤博之代表取締役=左から特別賞のトロフィーを手渡されたヒューマンリンクの田中紀雄代表取締役)
アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー(以下、略称EY)は、世界60ヵ国、145を超える地域で起業家の輩出を支援するために設けられた国際的な起業家表彰制度。日本では2001年から実施されている。全国の各地域でブロック代表を決め全国大会に進出、そこで日本代表に選ばれるとモナコで開催されている世界大会の出場権を得る。
北海道ブロック大会は、今回が3回目で審査基準は①創業から現在までのストーリー、チャレンジ精神などの観点から起業家精神を評価②資金調達実績や投資実績、株価など財務・事業戦略の評価③ビジョン、成長や差別化に向けた戦略、企業文化の評価――など6つの観点。推薦を決めるのは石井宏和NPO法人札幌ビズカフェ代表理事や浦田祥範道銀地域総合研究所取締役常務執行役員など11人。
今年の道地区代表に決まった北の達人の木下社長は、昨年の道地区代表の1人であるジーンテクノサイエンス河南雅成社長からトロフィーを授与された。
木下社長は授賞後のスピーチで、「一次産品などが豊富で景観も優れた北海道の潜在力を活かすこととマーケティングを掛けあわせて日本を代表する企業を創ることをビジョンにしている。ネットショップからブランドビジネスを展開して1つの商品で100億円育つブランドを創っていくとともに決してブームに乗らない戦略を貫徹したい」と話し、「ヒット曲の中で必ず上位を占めているのはブームに乗せない演歌。1年を振り返ると根強い人気の演歌が上位を占めることがあるように、私たちは演歌の戦略を事業に生かしていきたい」と述べた。
また、道ブロック特別賞に選ばれたヒューマンリンクの田中社長には1回目の道代表だったクリプトン・フューチャー・メディア伊藤博之代表取締役からトロフィーが贈られた。
同社は、4年間で全国100ヵ所にリハビリ特化型デイサービスのカラダラボを開設するなど高齢化社会に向けて医療と介護の中間産業を生み出すことをビジョンに掲げるベンチャー企業。田中代表取締役は、「在宅最後の砦になることを理念に事業を進めて行きたい。そのニーズはますます高くなる」とスピーチした。