アークス横山清社長が語るイオンの姿

流通


「我々は回遊魚ではない。根付きの魚だから北海道から離れることは出来ない」――食品スーパー、アークスの横山清社長は道内で繰り広げられるイオンVSアークスの価格戦争についてこう語る。昨年来の低価格戦争は、今年に入って激安戦争にステージが変わった。引き金を引いたのはイオングループのマックスバリュ北海道が展開する『ザ・ビッグ』だ。イオングループの北海道流通大掃討作戦が始まったと業界内では言われている。


横山社長はイオンについてこう述べている。
「ヒト、モノ、カネそれに情報に優れている。財務でも天才がいるのではないかと噂されているくらい能力を持った企業群だ。我々地場食品スーパーにとっては脅威であることに違いない」
とりわり、イオングループの食品スーパーであるマックスバリュ北海道については、「標準タイプの店舗は、レイアウトや店舗デザイン、バックヤードの整備など本格的な食品スーパーの提案をしてくれば太刀打ちできるかどうか不安」と率直に語る。
しかし、現在繰り広げられているイオンVSアークスは、必ずしもイオンの能力が100%発揮された戦いではない。
道内のスーパーの歴史は、本州資本と地場資本の戦いの歴史でもある。本州資本と提携した地場スーパーには、西村、相馬などがあったし、長崎屋と一時期組んだ札幌フードセンター、イトーヨーカドーと組んだことのある北雄ラッキーなど、本州資本と地場資本はくっついたり離れたりしながら歴史を刻んできた。
札幌のスーパー創成期にダイマルスーパー専務としてこの業界に身を投じてきた横山氏は、約50年になるスーパーの歴史を振り返ってこんな予測をしてみせる。
「長崎屋、ダイエー、西友、ヨーカ堂と本州資本はいずれも1300億円くらいの規模になると頂点になって下降していく。本部が考えるようにはいかないのがスーパー業界。『その時にどうするか』でその先が決まるが、過去本州資本の歴史は、『その時どうするか』がなかった」
イオングループは果たして、過去の本州資本の轍を踏むのかそれともその先に進むのか。今年がその正念場になりそうだ。
(写真はアークス横山清社長)

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