札幌駅前のセンチュリーロイヤルホテルの運営権が恵庭カントリー倶楽部を経営する恵庭開発から釧路市のマルセンクリーニングに売却される。センチュリーロイヤルホテルは、73年の開業で、最上階にある回転式のレストランが約2時間で一回転し市内を一望できることで人気があったが、ホテルの乱立で苦しい営業を余儀なくされていた。
ホテル事業の進出に意欲を見せていたマルセンと価格面で折り合いがつき、双方が売買に最終合意した。
恵庭開発は、同ホテルや札幌ロイヤルホテルを運営していた札幌国際観光が3年前に民事再生を申請したことに伴い、同社株を取得して経営に乗
り出していた。
ロイヤルホテルについては、札幌国際観光が民事再生を申請する前にオリックスが買収意欲を見せていたため一時期、休館。オリックスは最終契約段階でキャンセルしたため同ホテルを含めて恵庭開発が取得することになった。
ただ、ロイヤルホテルは休館していたために配管や電気系統の老朽化が進み、再開するには数億円単位のリニューアル投資が必要なため閉鎖されている。
今回、売買するのはセンチュリーロイヤルホテルのみで、マルセンの取得額は約5億円程度と見られている。マルセンは、札幌や釧路で『ブルーホテル』という名前でラブホテルを10数軒運営している。
センチュリーロイヤルホテルの従業員は約160人で引き続き雇用は継続される見通しただが、現在の取締役は全員退任するという。さらに料理長も降格されるという。
札幌市内はホテル競争が一段と過熱しており、同ホテルに隣接する三井ガーデンホテルは6月に開業、記念価格として6000円台で客室を提供、新規ホテルラッシュで宿泊価格ダンピングは全国一と言われている。
センチュリーロイヤルホテルの宿泊構成は70%がエージェント(旅行代理店)からの送客で残り30%はネットによる個人客。
恵庭開発は今回の売却代金を他の不動産投資に振り向けると見られている。
(写真はセンチュリーロイヤルホテル)