イーベックが札幌テクノパークに研究所 エレクトロニクスセンターのウェットラボに

経済総合

 北海道大学発創薬系バイオベンチャーのイーベック(本社・札幌市)は、2016年1月に研究所を札幌テクノパーク(同市厚別区)に移転する。既存の研究所が手狭になり研究員も増やす必要が出てきたため札幌市が実験が行えるウェットラボ仕様にしたエレクトロニクスセンター内に移転することにした。P1080531(写真は、イーベックの土井尚人社長)

 同社は、北大遺伝子病制御研究所の所長だった高田賢蔵教授が持つヒト抗体生産技術を実用化する目的で2003年1月に設立された北大発VB(ベンチャービジネス)。ヒトの体内で抗体を作っている血液Bリンパ球から完全ヒト抗体を作成する技術を有している。この技術で作った抗体は副作用が少なく活性が高いことから国内外の大手製薬企業とのライセンス実績がある。
 自ら最終医薬品までは作らず、抗体の作成に特化、製薬企業とアライアンスを組むことによって医薬品の実用化を目指す成長モデルを確立しようとしている。
 
 今年5月には北海道銀行・北海道ベンチャーキャピタルが5001万円を出資、北洋銀行も北洋イノベーションファンドを通じて3000万円を出資するなどして資本金は3億7900万円になっている。
 
 現在、同社の研究所は同市内中央区内にあり研究員と研究技術員を合わせ10人の体制。同社の土井尚人社長は、「アジア各国の医薬系研究所との連携も始まっており研究体制を拡充する必要性があるので来年初めに札幌テクノパークに移転することにした」と話す。研究員も新たに3人程度採用する予定だという。
 なお、同社は2017年3月をメドに東京証券取引所マザーズへのIPO(新規株式公開)を計画している。

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