コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、旗艦店の「ルーシー店」(同市白石区)に地下水をろ過して飲料水を造る「地下水膜ろ過システム」を導入した。水道水の水質基準をクリアできる店内で使用する上水道に混ぜて日ごろから利用する。また、災害時には近隣住民への飲料水、トイレ排水向けに供給できるようにする。(写真は、ルーシー店)
「ルーシー店」に導入した地下水膜ろ過システムは、店舗敷地内に掘った井戸から汲み上げた地下水を砂ろ過や活性炭で前処理、その水を網目が0・001ミクロンから0・01ミクロンの限外ろ過膜でろ過して細菌やウイルスなどを除去。こうして処理した水を貯留して塩素濃度を24時間、365日連続的に記録、異常があれば自動的に遮断する。塩素濃度が正常なら処理水を受水槽に供給して上水道と混合(混合比は上水道2、地下水8の比率)して使えるようにする。
この地下水膜ろ過膜システムは、阪神淡路大震災や東日本大震災と同規模の地震にも耐震性がある。東日本大震災では、激震地区でも同システムを導入していた病院や食品工場では断水が免れ、その病院では近隣自治体から透析患者の受け入れ、食品工場では住民への炊き出しに利用された。
コープさっぽろは、平時には店舗内でこの水を使うが災害時には地域住民に飲料水などとして提供することを盛り込んだ災害協定を近く札幌市と締結する予定。
実際にこのシステムを稼働させて地下水を使い始めるのは10月上旬から。