マックスバリュ北海道(本社・札幌市中央区)は、帯広地盤の食品スーパー、いちまるのスーパー事業を承継することに伴い、マックスバリュ北海道が所有するいちまる株式の全株を9月30日付でいちまる生鮮センターに譲渡することになった。(写真は、音更町のルーキーいちまる店)※3年前、ダイイチがこの店舗の近くに音更店出店を決めた際、当時提携していたいちまるに「ルーキー店は不採算店なのだから閉めてはどうか。音更店をいちまるの店にしても良い」と提案したが、いちまる側は固辞。「加藤祐功社長は乗っ取られると思ったのではないか」と関係者は言う。このルーキー店問題がダイイチとの溝になり、イトーヨーカ堂との提携で決裂へと進んだ。いわばいちまる崩壊の序曲となったのがこの店舗だった。
マックスバリュ北海道は、いちまると2013年10月に資本業務提携、マックスバリュ北海道がいちまるの40・5%の株式を取得、持ち分法適用関連会社になった。
今年5月、マックスバリュ北海道は、いちまるの食品スーパー事業一切を10月1日付けで承継することでいちまると合意したため、いちまる株を保有する必要性がなくなった。このため、9月30日付でいちまる株をいちまる生鮮センターに譲渡することにしたもの。
いちまるは、会社分割か合併でいちまる生鮮センターの従業員と資産、負債の一部を承継、いちまるがあらかじめ設立した100%出資子会社がマックスバリュ北海道の承継する資産や負債の一部を会社分割で承継、その後、その子会社株式をマックスバリュ北海道が全株取得したうえでマックスバリュ北海道がいちまる店舗不動産をいちまるカンパニー、ルーキーファーム、パールから取得。その後にマックスバリュ北海道と子会社が合併する手続きを経る。
いちまるは、同じ帯広地盤のダイイチと資本業務提携していたが、ダイイチが13年7月にイトーヨーカ堂と資本業務提携したことから提携を解消、イオングループのマックスバリュ北海道と手を組んだ。しかし、結局2年でこの提携も実を結ばず、いちまるの看板が地元から消えて行くことになる。