IMG_8180 マックスバリュ北海道(本社・札幌市)は、帯広の食品スーパー、いちまると資本・業務提携することで基本合意した。マックスバリュ北海道はいちまるの発行済み株式40%超を取得し商品の共同仕入れや共同調達、イオンのPB(プライベートブランド)なども導入する。両社の売上高を合算すると1000億円を超える食品スーパーグループが誕生する。(写真は、帯広市のいちまる本社)※「マックスバリュ北海道といちまるの業務及び資本提携に関する基本合意書締結のお知らせ」についての発表リリースは右欄のマックスバリュ北海道のバナーをクリックすると見ることができます。
 
 いちまるは、ダイイチ(本社・帯広市)が発行済株式の14・8%を所有しているが、ダイイチが7月にイトーヨーカ堂と資本・業務提携を結んだことから、いちまるの出方が注目されていた。
 
 ダイイチとヨーカ堂の提携について、いちまるの加藤祐功社長は事前に知らされておらず、この提携によってダイイチといちまるの関係にヒビが入ったとされる。
 
 マックスバリュ北海道といちまるは、9月に入ってから交渉を進め短期間で基本合意することになった。
 
 マックスバリュ北海道の前身である札幌フードセンターは、いちまるとの関係が深く、同社の加藤幸子会長(祐功社長の実母)が1950年代に食品スーパーを始める際に札幌フードセンターの協力を仰いだ経緯がある。
 
 今回、資本・業務提携で基本合意した内容は①商品の共同仕入れ、共同調達②イオンPBの導入③イオンの金融サービスの導入④共同プロモーションの実施⑤店舗の開発・活性化のサポートなどで、マックスバリュ北海道がいちまるの株式40%超を年内に取得し、業務提携を円滑に進めるためにマックスバリュ北海道から複数名をいちまるの取締役に派遣する。 
 
 いちまるは帯広や十勝地域で14店舗を展開、2013年2月期の売上高は100億9500万円。従業員数は正社員105人、パート・アルバイト500人(13年4月現在)。
 
 マックスバリュ北海道はいちまるの40%超の株主を保有することになるが連結決算には反映しない関連会社の位置づけになる。マックスバリュ北海道は13年2月期で907億円を売上げているが、十勝は空白地域で店舗網がなかった。これによって帯広・十勝でグループとしてシェアを確保できることになり、同社は手薄な函館方面で店舗進出を重点的に進めることができる。
 なお、いちまるは株式を保有しているダイイチとの関係は解消していく。
 
 帯広・十勝圏は、「ダイイチ―ヨーカ堂」、「イオン―マックスバリュ北海道―いちまる」の流通全国2強のグループ対決がより先鋭化しそうだ。アークスグループの福原も含めた三つ巴の競争は北海道の流通業界が進む方向を暗示しているようだ。


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