道内ゴルフ場の入場者が前年割れを続けている。日銀札幌支店や道財務局の道内景気判断では、一部に持ち直しと先行き回復期待感を示しているが、ゴルフ場は持ち直しどころか一段下げの観測だ。
ゴルフ関係者によると、「天候不順で4月の出足が悪かったし、5月も良くなかった。4月のマイナスはこれからカバーできないため、今年は入場者の前年割れコースが続出するだろう」と言う。悪い、悪いと言われた昨年はそれでも一昨年とほぼ同じくらいの入場者だったが、今年は大半のコースが7%程度のマイナスとなると業界では予測している。
そんな中で、道内ゴルフ場の買収に意欲を見せているのが中国マネー。
あるゴルフ場経営者によると、「胆振管内の2つのゴルフ場は既に中国資本が買収したと聞いている。中国資本は、増大している中国人観光客を対象にしたゴルフをセットにした旅行プランの需要が高まると見ているようだ。さらに、マイ・ゴルフ場として金に糸目をつけずにコースを探している富裕層もいる」と中国マネーの勢いに舌を巻く。
中国マネーは、リゾートにも興味を示しキロロリゾートなどニセコ周辺をリサーチしているというから、経営に四苦八苦しているゴルフ場・リゾート施設が売却に踏み切ってもおかしくない。
道内ゴルフ場は、バブル期に造成された多くのコースが国内ファンドや米国ファンドに売却されたが、ここにきて国内ファンドが売却を急いでいる。その受け皿になっているのが中国マネーという訳。しかし、中国マネーが買収すると会員権が保護されるのかどうかという問題も出てきそう。と、いうのも中国では会員権という概念そのものが未成熟だからだ。トラブルの種を抱えながらも、中国マネーの奔流が道内に押し寄せてくることは間違いないだろう。