ディスカウントストア(DS)のトライアルカンパニー(本社・福岡市東区)は、7月5日(日)午後8時で「スーパーセンタートライアル恵庭店」(恵庭市戸磯)を閉店するが、土地建物を所有する明和住建(同・札幌市北区)が施設の活用策を模索している。リニューアルを行い新たなテナントを導入する方針だが、売却する可能性もあるという。(写真は、7月5日で閉店するスーパーセンタートライアル恵庭店)
トライアル恵庭店の建物は、かつての道内流通大手カウボーイが1998年に建てたショッピングセンター(SC)で、2008年9月からトライアルが出店、24時間営業してきた。同じ建物には北海道東宝が展開するシネマコンプレックスも営業していたが、こちらは5月末に閉館している。
土地は1992年にバブル企業として多くの爪痕を残した三井の所有だったが、98年にカウボーイ子会社が取得、同年にSCが開業した。その後は、カウボーイの経営危機による2007年の会社分割で土地所有はトーラスリアルティ(函館市)に移ったが、土地を担保に竹田測量設計(函館市)、ゲオエステート(名古屋市)が借入をするなど権利関係は複雑だった。
札幌の不動産業、明和住建が土地建物を取得したのは昨年の11月。複雑だった権利関係は整理された。今年2月には北洋銀行豊平支店の取扱いで1億4000万円の根抵当権が設定されている。
トライアル恵庭店が閉店するのは8月半ばに賃借期間満了を迎えるためで、昨年7月にオープンさせた自社物件の新店、「スーパーセンタートライアル千歳清流店」(千歳市)とも商圏が重なることも要因。
明和住建の藤井明房代表取締役は、「リニューアルで新テナントを導入することも考えているが、土地建物の購入希望もあるため両方向で検討する。ただ、現状で具体的な話はない」としている。なお、明和住建は戸建て住宅やマンションの仲介がメインだが商業施設としてゲオ美幌店を所有している。
(写真は、札幌市北区にある明和住建の本社ビル)