札幌市長選で敗退した自民党推薦の元総務省自治大学校研究部長、本間奈々氏(46)の今後の身の振り方に関心が集まっている。前副市長で上田文雄市政の後継として出馬、当選した秋元克広氏(59)との票差は13万7000票あまり。4年前、上田氏と戦った初陣選挙より5万票減らした。(写真は、本間奈々氏)
前回落選後は、市長選でリベンジ戦に挑むとして札幌に留まり、札幌第一興産が事務所を貸すとともに当面の資金支援を行った。前回も自民党推薦だったものの同党や経済界の大御所と呼ばれるトップ企業は、資金面の面倒は見なかった。
今回の市長選にあたり本間氏は背水の陣で臨もうとしたが、経済界が長老派と若手派に分かれてしまい、若手が推す秋元支持派と長老が推す本間支持派に分断されたまま選挙戦に突入。
結果は、民主党、維新の党推薦で新党大地、社民党、市民ネットワーク支持の秋元氏に予想以上に離されて敗れた。
選挙前からとりわけ自公政権を支える公明票の本間支持が鈍いと言われた。さらに、週刊文春が投票日の前日に道内発売された号で本間氏が講演で「生活保護は遺伝する」という発言をしたことを記事に。これで公明婦人票がさらに離れたと言われる。選挙の場合、勝因は一つだが、敗因は様々な理由が付けられる。本間氏敗退の要因も様々に語られている。
前回の選挙後は再挑戦を決めたものの、今回はどうなるか。総務省の大石利雄事務次官は、選挙結果を報告に来た本間氏に「まず本間家の再興を」と語ったという。というのも、本間氏は夫と一緒に住む長女と約5年間の別居生活を続けているからだ。市長選リベンジを決めた4年前から本間氏は長男と札幌での生活を続け、「息子が札幌を好きになってしまい離れたくないと言っている」が本間氏の口癖。
まずは本人の意向だが常識的には三度目のチャレンジはない。しかし、長男は高校受験を控え札幌を離れるには微妙な時期。本間選対の関係者は、「天下の総務省ですから本間氏を処遇する外郭団体のポストくらいはあるでしょう。やはり本間家再興をまず考えるのが良いのでは」と語っている。