国立大学法人小樽商科大学と財務省北海道財務局は、北海道経済の活性化に向けた連携・協働の取り組みに関して包括連携協定を結んだ。地域経済活性化のために共同研究を行って地域に還元したり、道財務局が同大学での講義やインターンシップの受け入れなどで地域を担う人材形成で相互協力していくのが目的。(写真は、包括連携協定書を持つ和田健夫学長=右と渡辺健雄局長、2月19日小樽商大札幌サテライト講義室。道財務局提供)
小樽商大は、2015年度から地域に軸足を置き世界で活躍できるグローバルリーダーの育成を行う「グローカルマネジメント」のプログラムを導入することから、昨年秋に道財務局に官民連携による学生教育やお互いが持つ自治体や産業界とのネットワークを繋げていく包括連携協定の締結を提案していた。
道財務局は、これまで小樽商大に講師を派遣して講義を実施したり金融行政アドバイザリー制度に同大の齋藤一朗教授を委嘱するなど関係があったため、北海道を発展させるための人材育成を連携して行っていくことに同意、包括協定を結ぶことにした。2月19日に小樽商大札幌サテライト講義室で両者が調印式を行った。道財務局が大学とこうした連携協定を結ぶのは初めて。
小樽商大の和田健夫(たてお)学長は、「連携関係をブラッシュアップさせて北海道経済活性化のために地域を担う人材の形成を目指したい」とコメント。道財務局の渡辺健雄(たけお)局長は、「政府では『まち・ひと・しごと創生本部』で進めている『地方創生』を最重要課題として取り組んでいる。北海道は他県に比べて人口減少問題は深刻であり北海道を真に発展させていくには北海道の将来を真剣に考え、それを実行していく人材を育成していくことが大変重要と考えている」と包括協定をステップにさらなる地域貢献に努める考えを強調した。
全国の財務局が大学とこうした協定を結んだ例として、2013年11月の東北大経済学部と東北財務局による『連携プロジェクトの申し合わせ』、14年4月の東海財務局と愛知学院大経済学部の『提携講義の覚書』、同年12月の金沢学院大と北陸財務局による『連携に関する協定』などがあるが、講師派遣や講座提供などがメーンで地域を担う人材形成に踏み込んだ協定は全国的に珍しい。