「伝わらない東北」作業服チェーンのプロノが販売戦略再構築

流通

IMG_1353 作業服・作業用品小売りの「プロノ」を展開するハミューレ(本社・札幌市)は、2年前から進出した東北の店舗が不振で2014年8月期は経常赤字を計上した。北海道で成功している「プロノ」の販売コンセプトが東北の店舗では消費者に理解されていないためで、来春から販売戦略を転換、東北展開を軌道に乗せる。(写真は、武居秀幸社長)
 
「プロノ」は、作業服・作業用品チェーン全国2位。トップは11月初旬に北海道初進出した「ワークマン」だが、売上高の開きは10倍もある。作業服チェーンの中でも、プロノは建築土木、製造業の客層のほかに農業など一次産業、一般や女性も多いのが特長で、その店舗コンセプトは北海道で成功。1店舗の平均面積は200坪で平均売上高は2億1000万円。
 
 北海道で地盤を築いたことで2年半前から東北、関東に進出、現在岩手県2店舗、宮城県5店舗、山形県2店舗、栃木県2店舗を展開している。北海道の25店舗と合わせ合計36店舗。プロノの品揃えや品質の良さは、ジワジワと伝わるため既存店売上げが毎年アップするという特長があり、「10年経っても15年経っても売上げが伸び続ける」(武居秀幸社長)
 
 しかし、東北・関東ではプロノの店舗コンセプトが消費者に伝わらず販売は軌道に乗っていない。このため、13年8月期は売上高56億9100万円に対して4500万円の営業常赤字で経常段階ではかろうじて1900万円の黒字を確保した。14年8月期は本州店舗の不振が続き、売上高64億2900万円、営業損失4300万円、経常損失800万円で本業の儲けを示す営業段階では2期連続の赤字を余儀なくされた。
 
「プロノは同業他社と違うコンセブトだが、違い過ぎてうまく消費者に伝わらず売上げが伸びていない、本州でどう伝えていくか、広告展開を見直している」(武居社長)として、来春から反転攻勢を仕掛けていく考えだ。
 
 今期(15年8月期)は、新たな出店を控え、本州既存店のテコ入れによって売上高68億9800万円、営業利益6700万円、経常利益8700万円と黒字転換を予定している。
 
「新しい地域で店舗コンセブトを伝えていくノウハウを確立して短期で出店できる体制を構築、全国展開を進める」(武居社長)としている。
 13日、札幌証券取引所で開かれた北海道インデペンデンツクラプ事業計画発表会で武居社長が明らかにした。

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