道東ラルズ(本社・北見市)の店舗が撤退して空きビルになっていた網走市の中心市街地にある金市舘ビルを地元の網走中央商店街振興組合が取得、解体することになった。取得費は約960万円で解体費用を含めると約2億円を投じる。跡地の活用策は、行政と民間で協議会を設置して決めるが、新たな商業施設を誘致することも視野に入れる。(写真は、網走の中心市街地にある金市舘ビル)
金市舘ビルは、札幌の金市舘が1979年1月に網走市の商店街中核施設として建設。地上5階、地下1階で金市舘デパートとして親しまれたが、金市舘の販売事業部門と大丸スーパー(札幌市)が89年に合併、ラルズに生まれ変わってからは食品スーパーが核テナントになっていた。
ラルズが中核になってアークス(札幌市)が誕生して以降は、道東ラルズがスーパーを運営していたが2009年4月に閉店、その後は空きビルのままだった。
水谷洋一市長は4年前の市長就任当初から、市が絡んだ形で取得、解体する意向を示していたが、当初はビル所有者の金市舘が提示した金額が億単位だったため難航していた。
今年6月、国の補助金がこうした中心商店街の空きビル対策として解体まで含めて適用できるようになったことや金市舘の提示金額も下がったことから、市は網走中央商店街振興組合を窓口として補助金を活用、同ビルを取得した。補助率は総事業費の3分の2。
市では11月ころに解体工事の入札を行い、冬場の雇用対策を兼ねた公共事業として発注する。解体作業は来春まで続き、夏場には更地になる見込み。
活用策は、今後1年間かけて行政と民間の協議会によって決める。中心商店街には比較的規模の大きい商業施設がないため、賑わい創出につながる施設の誘致も選択肢のひとつになりそうだ。