ツルハホールディングス(本社・札幌市)とサッポロドラッグストアー(同・同)の9月度(8月16日~9月15日)売上高伸長率が9月30日に公表された。2社ともに新規出店を積極化しているため全店ベースの売上高は前年同月比で5~18%伸長しているが、既存店は2社ともに5ヵ月連続で前年を割り込んだ。(写真は、8月28日に居抜きで新規出店した札幌市手稲区のツルハ手稲前田6条店)
既存店売上げは、個人消費マインドを反映する指標として捉えることができる。流通小売業では既存店の客数減が顕著になっており、消費者は消費増税後に来店頻度を抑え、節約志向に入っていることが数字上から窺える。
ツルハHDの売上げは、新規出店が8店舗あったことから全店ベースで前年同月比18・9%と大幅伸長、二桁の伸びは消費増税直後の5月度(4月16日~5月15日)を除いて4ヵ月連続。客数も4ヵ月連続で二桁の伸びを示した。しかし、既存店ベースで観ると様相は異なる。9月度は1・1%減で8月度に前年との減少幅がコンマ台に回復、ようやく水面浮上と思われたが再び潜った状態。既存店の客数も2・2%減でいずれも5ヵ月連続の前年割れとなった。
ただ、客単価は価格上昇もあって全店ベースで1・6%増、既存店ベースで1・1%増となっている。ツルハHDの9月度店舗数は新規出店8、閉店4で合計1325店。
一方、サツドラの売上高は全店ベースで5・0%増と好調を持続しているが、やはり既存店は2・6%減で5ヵ月連続の前年割れ。新規出店は2、閉店ゼロでトータル147店(ドラッグストア137店、調剤10店)。
消費増税の駆け込み需要に伴う反動減は、3ヵ月程度で収束し消費は巡航速度に回復すると見られていたが、ドラッグストア2社の既存店の客足は戻っていない。新規出店による売上げ増と既存店の目減り分を引いた売上げ純増幅が薄くなってきているようだ。