札幌市長選に向け経済人が「秋元派」と「本間派」に二極化、札幌商工連盟機関決定は有名無実に

札幌市政

IMG_9774 来春の札幌市長選に出馬することが確実になった秋元克広前副市長(58)の支援を巡って札幌の経済人が「秋元派」と既に出馬表明している自民党推薦本間奈々元総務省自治大学校研究部長(45)の「本間派」に分断されることになった。札幌商工会議所の政治連盟である札幌商工連盟は本間氏推薦を決定しているが、秋元支持派には札商の閣僚級経済人が含まれており、機関決定は有名無実になりそう。(写真は、札幌商工会議所会頭・札幌商工連盟会長の高向巖氏)
 
 札幌商工会議所は政治活動ができる唯一の経済団体。前回の市長選では現職上田文雄氏の3選と本間氏の初陣で札商の政治活動を行う実行組織の同商工連盟は民主党政権だったこともあって自主投票を決め、商工会議所内は上田グループと本間グループに分かれて選挙戦を戦った。結果は上田氏が当選、その後商議所内にしこりは残らなかった。
 
 秋元氏を巡っては今年1月に現職副会頭ら5人を含めた経済人27人が自民党札連に対して次期市長選の候補として推薦要請を行ったものの推薦受付締切間際だったため時間切れとしてテーブルに上がらなかった経緯がある。
 
 その後、秋元氏の名前は水面下に沈み、表だって市長候補として取り沙汰されることはなく、6月の同商工連盟総会では本間氏推薦を機関決定している。ただ、この決定時期に札商高向巖会頭(商工連盟会長)は検査入院後に発覚した心臓疾患で手術を受けており、機関決定の進め方に疑問の声が出ているのも事実。
 
 そうした中、8月中旬に札商の閣僚級経済人である加藤欽也氏(政策委員長)と紫藤正行氏(総務委員長)らが中心になった「札幌の未来を考える有志の会」が設立され、9月1日に秋元氏に出馬要請を行った。1月に秋元氏を市長候補に推薦した札商副会頭らの動きとは直接連動したものではないが経済人の間では秋元氏の行政手腕が広く評価されていることは間違いない。
 
 副会頭の1人は「秋元氏の人となりや行政能力を広く知ってもらう活動には協力したい」と漏らしており、経済界での地位と経済人としての自由な判断というバランスを取りながら行動していくことを示唆している。
 
 前出の「札幌の未来を考える有志の会」にアークスの横山清社長が代表の1人として名を連ねたのは、札商のカラーを極力排除するためのアナウンス効果も狙ったものと言えそう。横山氏は、10年近く前に経済界の軸足を商工会議所から道経連に移しており、札商とは距離を置く。
 
 その秋元氏は5日、副市長を辞職、16日にも出馬表明するという。秋元氏を支持する経済人が今後増えて行くかどうかは「上田後継色の希薄化」、「民主党の独自政策排除」が鍵になる。いずれにしても秋元氏が出馬することで札幌の経済人は市長選に向けて二分されることになりそうだ。

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