岩見沢市で最先端の情報通信技術を応用したICT農業の現地研修会が行われる。同市内には13ヵ所に気象観測装置が設置されており気温や降水量、風向き、黄砂など51時間先の予測値を50m単位で提供できるシステムが整備されている。また、GPSを用いた精度の高い位置データも活用できるためトラクターの自動走行も可能。研修会では、ICT農業の実演などが行われる。
主催は、いわみざわ地域ICT(GNSS等)農業利活用研究会(会長・東井源氏)。市は全国の自治体に先駆けて光ファイバ網を自前で整備するなどICTを利用した社会資本整備を推進してきたが、2年前から農業分野にICTを利活用する一環として50mメツシュで微細な気象情報を提供している。小麦や水稲、玉ねぎの収量予測や病害予測などの情報提供も開始している。
他の地域では1㎞メツシュでの気象情報や病害予測情報のためきめ細かな対応ができず、施肥や農薬散布コストなどがあまり低減できなかった。
また、GPS衛星からのデータを補正する基地局も市内に2ヵ所設置、3㎝の精度で位置情報が得られるため、トラクターの自動運転や走行ルートを最適化することで作業時間の短縮に結び付けられる。
同研究会は、こうしたICT農業を推進していくために昨年1月に設立され、現在市内の農業従事者110人が参加している。今回の現地研修会では、実際に圃場でICT機器を搭載した農作業機械の実演が行われるほかGPSガイダンス機器を紹介、地域でのICT農業の普及を後押しする。
現地研修会は、8月29日(金)午前9時から岩見沢市上幌向1098の毛陽農産の圃場で行われる。問い合わせは、いわみざわ農協農業振興部企画振興課(☎0126・22・6924)