セイコーマート(本社・札幌市)は、グループの農業生産法人2社を合併、北栄ファーム(本社・滝川市)として一本化した。道内7拠点の農地の面積は約80haで、今12月期には年間売上高7億円になりそう。今後も農地面積を拡大していく意向で、セイコーマートグループのコンビニ店舗で販売していくほか、グループの製造工場に供給してサラダやサンドイッチなどの材料として利用していく。(写真は、札幌市中央区にあるセイコーマート本社ビル)
セイコーマートは、2007年に栗山町に農業生産法人を設立、野菜生産をスタートさせた。その後、長沼町や北見市上常呂、滝川市、京極町で農地を賃借、各地域に農業生産法人を設立するなどして運営してきた。
農業参入の目的は、セイコーマート店舗やグループの北海道スパー、ハセガワストア(函館市)、タイエー(根室市)のコンビニ各店舗で販売するとともにサラダ等の自社商品の原材料向けに使用するため。さらに、農協や農家との関係を深め将来的な事業展開でいわゆる土地勘を蓄積する目的もある。
昨年、滝川アグリと上常呂ファームを合併させ効率化に一定の成果があったため、今年に入って長沼アグリと合併、北栄ファームに一本化した。道内の5市町村、計7ヵ所の農地でトマトやキユウリ、レタス、馬鈴しょ、長ネギなどを生産している。茨城県で展開している桜川アグリは現体制を維持する。
昨年から農業部門は黒字化しており、今期は7億円を売上げる見込み。同社の赤尾明彦会長は、「単位面積当たりの収量は、一般的な農家よりも7倍程度高いが我々が事業として農業を継続するにはこれくらいの生産性がなければ難しい。農協や農家の仕組みが分かってきたことが大きい」として、今後も賃借や取得によって農地を広げ、事業を拡大していく意向だ。
グループで使用したり販売したりする野菜類は自社生産では賄いきれないため、農協や農家からの仕入れルートも強化していく。