イオンが首都圏の食品スーパー3社を持ち株会社方式で再編、アークス横山清社長「想定通りだ」

流通

DSC_6258 アークス(本社・札幌市)の横山清社長(79)は、イオンが首都圏で食品スーパーの再編に乗り出すことについて「想定通りだ」と北海道リアルEconomyに語った。高齢社会で食品スーパーはストマックウォー(胃袋の戦争)の渦中にあるが、横山氏は「首都圏での争奪戦はさらに激しくなるだろう」と言う。(写真は、横山清社長)
 
 
 イオンは19日に首都圏で100%子会社のマックスバリュ関東と3割程度出資しているマルエツ、カスミで共同の持ち株会社「首都圏スーパーマーケット連合」を2015年3月までに設立すると発表。イオンが7割、丸紅が3割出資する新会社の連結子会社とし、持ち株会社の傘下に100%子会社の3社をぶら下げる形にする。
 
 11社を傘下子会社に持つ持ち株会社で先行するアークスの横山社長は、「イオンが再編に動くのは想定通りだ」と述べ、首都圏で展開するイオン系3社がこれまでのやり方では限界が来ることを見通していたことを示唆した。そのうえで、「我々の持ち株会社の精神は資本の論理によるM&Aではなく、マインド&アグリーメントのM&A」と語り、イオンの手法とは違う点を強調した。
 
 横山氏は、帯広市のいちまるが昨年イオングループに入ったことについて、「かつて我々が20%資本参加していたが、離脱の意向を表明してきたため離すことにした。資本を入れていたうえ役員も入っていたので離脱を抑えることもできたがそうはしなかった」と述べ、資本の論理だけではない実例を挙げた。
 さらに「新しいスタンダードによって、新しい価値を生み出す企業とそうでない企業に分かれる」としてイオンの持ち株会社による食品ス―パー再編が他の地域にも波及していくかどうか動向を注視していくことも示した。
アークスは首都圏にグループ会社がないため、今回のイオン系食品スーパーの統合に直接の影響は受けないが、「人口減少、高齢社会でパイが縮小する中でストマックウォーが展開されており、むしり合いのような争奪戦が激しくなるだろう」と予想する。

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